ここ数年、日系ブランドメーカーが、中国進出及び中国事業を強化する動きが顕著となっていますが、最近では、受託メーカーが中国事業を強化するケースが増加しています。現時点で中国に生産拠点を構える主な受託メーカーは、アサヌマコーポレーション、東色ピグメント、トキワ、日本コルマーといったところです。
アサヌマコーポレーションは、2007年に現地法人を立ち上げ、2009年に上海工場が本格的に稼動しています。現地で生産された商品は、中国国内で展開している日系ブランドメーカー、欧米系ブランドメーカーだけでなく、ローカルブランドメーカー(香港系・台湾系含む)に販売しています。
東色ピグメントは、1999年に現地法人を立ち上げて中国生産に乗り出しており、2010年に新工場が完成しました。新工場は、ラボを擁しており、顧客ニーズ対応のスピード向上やパウダー製品を手掛ける北京拠点の開発支援に加え、現地に合った処方の開発に取り組んでいます。
トキワは、2003年に現地の工場を買収、工場の増床を行い、2006年より本格的に営業を開始しています。同工場の生産品目は日本国内とほぼ同様で、製品は中国のほか、米国、欧州、台湾他にも輸出しています。
日本コルマーは、1997年に現地法人を設立、2000年に工場を竣工しています。2001年に営業を開始しており、販売先は、ローカルメーカー(香港系・台湾系含む)が中心です。2009年には、供給能力拡大を狙った工場の増強工事が完了しており、更なる事業拡大を志向しています。
浅井潤司
(株)矢野経済研究所主席研究員
2000年に矢野経済研究所に入社後、主にビューティー・リラクゼーション業界の市場調査、分析業務を担当。また、調査・分析業務だけでなく、中国市場進出支援、販路開拓支援、新規事業支援、地域振興・産業振興支援などのコンサルティング業務も手がけている。
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