前回の伝統的チャネルと直販チャネルに続き、今回は、新しいチャネル、会議営銷(宣伝講習販売)チャネルの2つのチャネルについて見ていきたいと思います。
①新しいチャネル
新しいチャネルとしては、ネット通販やテレビ通販などのチャネルがあげられます。特に、成長が著しいのはネット通販です。北京正望諮詢有限公司が行った調査によると、中国におけるネット通販の市場規模は2009年の段階で2670億元に達し、2010年の予測値では4900億元を超え、この間、80%以上という驚異的な予測伸び率を示しています。ネットショッピングの利用者数も1億3千万人と、日本の人口とほぼ同数となるまで増加していますが、この数字はいまだに中国の人口の10分の1以下です。ネット通販の成長には、「淘宝支付宝」などの支払いシステムにより取引の安全性が確保されたことや、中国物流網や関連法規の整備が進んでいることなどの要因が背景にあり、今後さらに利用者数が増加することが予想されています。ネット通販には、CtoC(「淘宝網」など)、BtoC(「淘宝商城」など)の2種類がありますが、中国のネット通販市場はCtoCが発展していることが特徴です。
②会議営銷(宣伝講習販売)チャネル
会議営銷(宣伝講習販売)チャネルは、主に中高年層を対象とし、健康に関する講座などを通して、最終的に実地販売を行う形式です。会議営銷(宣伝講習販売)チャネルは、伝統的チャネルとの比較で見ると、直販と同じく、重層的な販売網を構築する必要がなく、入場料や棚代の高騰の影響も受けないため、コスト面で有利です。また、キャッシュフローの面やマーケット動向把握の面からも有利です。しかし、会議営銷(宣伝講習販売)は直販と同じく、誰にでも運営できるものではなく、良い講師と売筋商品を確保できるかどうかなど、主催者の力量にかかっています。なお、会議営銷(宣伝講習販売)は一般的に、ターゲット、会場、会議内容、ホスト、オーガナイザー、スタッフの6つの要素によって成り立っています。
浅井潤司
(株)矢野経済研究所主席研究員
2000年に矢野経済研究所に入社後、主にビューティー・リラクゼーション業界の市場調査、分析業務を担当。また、調査・分析業務だけでなく、中国市場進出支援、販路開拓支援、新規事業支援、地域振興・産業振興支援などのコンサルティング業務も手がけている。
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