先日、大阪に新しくリニューアルオープンしたサロンに行ってきました。黒の大理石の床やフロントデスク、クッション性のある絨毯、深いソファなど、とても高級感に溢れたハードのサロンでした。
このサロンはリニューアルの前にも二度行ったことがあるのですが、リニューアル前と比較すると、なんとなくお客様の居心地の悪そうな雰囲気を感じました。
ハードが高級になったことで、声を出しにくい雰囲気で、座っていても落ち着かないということもあるでしょうが、それ以上にそのサロンで働くスタッフたちがその雰囲気にのみ込まれてしまっており、硬い接客になっていることが大きな原因だと思いました。敬語が堅すぎたり、笑顔がなかったり、必要最低限の会話以外はしないというところからそれを感じました。
それほど高い単価のサロンではないですし、頻度高く通うメニューをそろえているサロンですので、そのあたりのミスマッチを感じました。
もし私がこのサロンの店長だったら、まずは接客スタイルを全面的に変えると思います。
例えば、「いらっしゃいませ」を「こんにちは」に変え、お客様との相互のコミュニケーションを図ります。受付時、お茶出し時、お会計時など、お客様と接するときは、必要最低限のお声掛けではなく、世間話や天気の話でもよいので、必ずコミュニケーションをこちらから取ります。
お見送りもフロントではなく、できる限りエレベーターのところまでお見送りします。電話も大きな声でハキハキとします。これだけで、このサロンの雰囲気をスタッフたち自ら変えることができ、お客様も居心地の良いサロンを作れます。
おそらく今のままでは、リニューアル前からいらしている既存のお客様も失客してしまい、新規のお客様もリピートにはなりづらいサロンになってしまいます。
榎戸淳一
株式会社ES-ROOTS代表取締役社長、一般社団法人エステティックグランプリ元理事長
新卒で船井総合研究所に入社し、様々な経験を積んだ後に「エステティック業界の健全化、イメージ回復」に使命感を感じ、船井総研内で自らエステティック業界のコンサルティングを立ち上げ、業界内で多大な実績を残す。現在では、株式会社ES-ROOTSを設立し、東京都目黒区に「fruitsroots(フルーツルーツ)」というオーガニックコスメ&エステティックサロンを経営している。www.es-roots.co.jp また、業界誌「週刊粧業」「セラピストBEAUTY」「ヌーヴェルエステティック」の連載、業界イベント「ビューティーワールド」「ダイエット&ビューティー」での講演など、活動範囲は幅広い。
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