さて、2囘目の今回は、通販における顧客対応の具体的な取り組みについてです。
通販における顧客対応とは顧客と接する全ての接点を指すということを前回お伝えしましたが、その中でも特に力を注いで欲しいのが初回購入顧客への対応です。
最近通販事業者から聞く大きな悩みは、広告による新規顧客獲得の効率が下がってきているということです。通販事業を成功させるためには、新規顧客獲得の効率とリピート顧客の育成の両輪をうまく回していくことにあります。
新規顧客獲得とは異なり、何か一つの施策による劇的な数字の変化が見えづらいのがリピート顧客作りです。そのため、施策半ばにして成果の見えやすい広告による新規獲得に目を向けリピート顧客作りを疎かにしてしまっている企業が多いのが現実です。
しかしながら広告による効率が悪くなる中では、益々リピート顧客の育成の重要性が高まっています。
特に商品を購入したばかりの初回購入顧客に、いかにしてリピート購入してもらえるかと言う点が非常に重要と言えます。
その対応のポイントは2つあります。
1つ目は自社について、商品について忘れられないために顧客との接触頻度を増やすこと。2つめは商品情報、企業情報を伝えるという点に力を入れることにあります。
商品を購入したばかりの顧客は、商品について、企業について十分な情報をもっておりません。企業名、商品名でさえ記憶しているかも怪しい状態です。
あなたが選んだ商品は間違いなく良い商品であると感じてもらうには、他社にはない特徴をしっかりと伝えていくことが大切です。
特に、初回購入後3カ月間は顧客との接触頻度を十分に持つことを心がけます。最低でも6回は接触をもち、商品の効能効果、商品開発にかけた想い、商品の特徴、企業の理念、姿勢について伝えていきます。実際に使用したお客様の声も一緒に伝えていくことも大切です。使用者の声は共感と信頼を増しリピート購入へとつながっていきます。
ある企業では、A4用紙2枚いっぱいに社長自らがその商品開発にかけた想いを書きしるし商品への強いこだわりを伝え、他社にはない自社ならではの特徴を強く印象づけ、信頼獲得につなげています。また、ある企業では実際に商品を使用しているお客様からの直筆の感想ハガキを大きな紙にまとめあげ顧客へ送り共感を得ています。
売り手は、商品を購入したのだから商品の特徴、良さを説明しなくても顧客は十分にわかっている。だから購入したのであろうという考えに陥りがちです。しかし、実際は違います。
興味を持ったけれども、商品について十分理解をし、愛着を持っているわけではないのです。顧客が商品に愛着を持ち自発的に購入をしてくれるようになるまでは、企業側から積極的に情報提供をし続けることを心がけてください。
船生千紗子
(株)通販総研 化粧品専門コンサルタント
通販に特化した広告代理店を経て、株式会社通販総研に入社。現在、化粧品通販新規参入支援、化粧品通販企業向けに新規顧客獲得、リピート顧客育成による売上アップ支援を行っています。クライアントの強みを伸ばし、着実な成長を促すことをモットーにしています。
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