第39回 「『波』にひるまないのがオシャレな女性」

 ゆっくりショッピングできる、平日午後のZARA六本木ヒルズ店。いつもは空いているはずのフィッティングに、大人の女性が列を作っています。それも、3人以上の人が同じ花柄のプリントパンツを手に持っての順番待ち。

 ミントグリーンベースにリゾートで見かけるような大きな花があしらわれたデザインのパンツは、大人世代には「ちょっと派手かも?」の印象。実は私もそのフロアで一目見て気になっていたものですが、柄パンは今シーズンのトレンドとはいえ、若い世代の流行でもあり、一歩間違えれば「若作り」、もう一歩間違えれば「オバチャン風」になる、キワモノアイテム。一瞬「どうしようかナ......」と考えているうちに、目の前で私のサイズは完売となってしまいました。

 「乗るか、乗らないか、迷っていると乗れる波にも乗れなくなるんです」。その時、40歳でサーフィンを始めた女性スタッフの波乗りの話を思い出しました。まさに彼女の言う通り、ファッションやビューティにおいて、大人の女性がトレンドという波に乗るには「この波は絶対に行くぞ」という気合いが必要なのです。

 若い世代のように、とにかく来る波に乗っていくという訳にはいかないだけに、「これはいけそう」と思ったら、その1本を逃さないことが、オシャレの現役でいられるかどうかの分かれ目になります。

 花柄のプリントパンツは、かつて湘南やハワイで自信満々に履いていたことがあるからこそ、「よし、いける!」となり、瞬時に体型カバーできるプリントの大きさやバランスをチェックできる経験値があるからこそ、人気アイテムになったのだと思います。

 後日、偶然、代官山のカフェで、私が逃したミントグリーンのプリントパンツを、時計のベルトと小ぶりのバッグで上質な赤を差し色にして、関西風の大人カジュアルで着こなしているステキな女性を発見。その数日後、今度は表参道で、またもそのパンツにゴールドのバレエシューズを合わせて、愛犬と散歩するカッコイイマダムに遭遇しました。

 ファストファッションならではのアイテムの「かぶり」はあっても、それぞれ大人カジュアルの達人たちの自信ある着こなしは「イケる!」と踏んで行動した人たちならではの、オリジナルなオシャレでした。

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中村浩子

(株)ヴィーナスプロジェクト代表取締役社長

「JJ」「VERY」等ファッション誌の編集・企画を手がけ、黒田知永子や三浦りさ子等、その時代を代表するタレントをプロデュースし、トレンドを生み出してきた。 現在まで読者モデルを1万人以上発掘しており、現在は女性消費者を取材し続けてきたノウハウを活かし、ファッション・アクセサリー・ビューティに関わる商品開発やイベントを企画、ブランドプロデュース、コンサルティングまで幅広く行っている。

http://www.venus-project.jp/pro/02.html

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