第17回 「地味なリアル」と「華やかなバーチャル」について

 中国でもウェブマーケティングの重要性が高まってきており、そのため最近特にインターネット上のクチコミを調べる機会が増えてきました。ソーシャルネットワーキングサービス(以下、SNS)の投稿やブログの記事等を読んでいると、今さらながら中国人の自己顕示欲の強さに驚かされます。

 SNSのプロフィール写真は、もちろん自己最高のキメ写真です。目を見開いて、頬を少し膨らませて斜め45度から撮るのが今の流行りのようで、美容に関するクチコミ等を検索すれば2~3割の確率で出くわします。有名人のような大きなサングラスをかけるのも定番です。恥ずかしげもなく女優顔負けのポーズを決めている姿には感心してしまいます。また、投稿する写真に自作のロゴマークを入れるのも大好きです。画像加工アプリを使い自己主張の光る写真に仕上げます。

 しかし、華やかな投稿写真が多い中、内容をよく見ると実は地味な実生活が垣間見られるのです。例を挙げますと、「今日は友達みんなで食事会!」という写真付きの投稿を見つけ、「素敵な食事会だな」と思ったのですが、その写真をよく見てみると実はよくある大衆食堂での食事風景だったのです。色調が少しセピアっぽくいろいろと加工されていたので素敵に見えただけでした。

 中国は、確かに富裕層が増加しており、上海などでは月収8000元を超えるOLもたくさんいますが、それでも日本のOLと比べれば日常生活はずっと地味です。

続きを読むには無料会員登録が必要です

  • PC、スマホからいつでも
  • WEBでかんたん記事検索
  • 化粧品業界の優良記事を
    お届け
この記事のお問い合わせはこちら

沖野真紀

中国女性市場専門調査会社 (株)ブルームス代表取締役

定性調査に特化したインサイトマーケティングを得意とする。また、日本とアジアのメディアで美容通としても活躍中。その知見と現地調査でアジア女性の美容ニーズの分析に努めている。

http://blooms.jp.net/

一覧に戻る
ホーム > 連載コラム > 第17回 「地味なリアル」と「華やかなバーチャル」について

ライブラリ・無料
ダウンロードコーナー

刊行物紹介

定期購読はこちら
お仕事紹介ナビ

アクセスランキング

  • 日間
  • 週間
  • 月間
PDF版 ダウンロード販売
化粧品マーケティング情報
調査レポート
株式会社矢野経済研究所
pagetop