はじめに
2013年夏の参議院選挙から、インターネットを選挙に利用する「ネット選挙」が解禁になった。日本では遊説先の予定など「お知らせのような内容で、盛り上がりに欠けた」との声がある一方で、米国ではオバマが最初の大統領選でネットを使って巨額の寄付金を集め、韓国の大統領選にも2007年に採用されている。
今や、インターネットを無視して誹謗や中傷の書き込みを恐れていては、存在感が薄くなり、若年層や無党派層への浸透には必要なツールらしい。
インターネット上の情報は更新・改廃がされやすく、Webサイト自体が消滅してしまうこともある。そこで公的機関の発行する報告書などの重要な資料を将来にわたって利用できるよう、国立国会図書館では、2010年4月1日より「インターネット情報選択的蓄積事業(WARP)」から「インターネット資料収集保存事業」と事業名を改称し、公的機関のWebサイトの網羅的な収集を開始している。
では化粧品はどこまで進んでいるのか。大手メーカーは、デパート売り場の一階だけではなく、2012年4月からネット販売を開始しパンドラの箱を開けた。
今後を占う意味でも、化粧品などが情報公開するため自ら構築した"Webサイト"の化粧品情報について考えてみる。
化粧品とネットサイト
Yahoo! JAPANにおいて「化粧品」というキーワードで検索した属性の調査がある1)。
2011年10月の1カ月間の検索では、女性が79.5%、男性が20.5%という結果で、圧倒的に女性の利用が多くなっている。年代分布では、トップ3は「30代」24.4%、「40代」23.5%、「20代」23.0%で、ほぼ変わらない割合である(図1)。
女性たちは検索後に実際にどのようなサイトを閲覧しているのだろうか。これについては、30代を除く全ての年代で、「ブランド/メーカーの公式サイト」と回答した割合が最も高い結果になった。30代のみ、1位の回答が「口コミサイト(@cosmeなど)」で、2位が「ブランド/メーカーの公式サイト」となった(図2)。
すべての年代において、需要が高かった「ブランド/メーカーの公式サイト」で女性はどのような情報を求めているのか。閲覧の目的を聞いたところ、全ての年代において、1位は「化粧品の成分、内容、効果などについて詳しく調べるため」、2位は「化粧品の価格について調べるため」という回答であった。3位は年代によってばらつきがあり、10代は「化粧品のキャンペーンについて調べるため」、30代は「化粧品のサンプルをもらうため」、40代・50代以上は「化粧品をネットで購入するため」という回答であった(図3)。
ネットは一般消費者に様々な情報を伝えてくれる。例えば、化粧品の成分表示の中にある「+/-」の意味では、着色剤に該当する成分は、その成分がその製品に配合されているかどうかに関係なく、「+/-」の表示の後に、シリーズ品に配合されるすべての着色剤を表示してもよいことになっている(図4)2)。
正直この原稿を書くまで、私は知らなかったことである。
島田邦男
琉球ボーテ(株) 代表取締役
1955年東京生まれ 工学博士 大分大学大学院工学研究科卒業、化粧品会社勤務を経て日油㈱を2014年退職。 日本化粧品技術者会東京支部常議員、日本油化学会関東支部副支部長、日中化粧品国際交流協会専門家委員、東京農業大学客員教授。 日油筑波研究所でグループリーダーとしてリン脂質ポリマーの評価研究を実施。 日本油化学会エディター賞受賞。経済産業省 特許出願技術動向調査委員を歴任。 主な著書に 「Nanotechnology for Producing Novel Cosmetics in Japan」((株)シーエムシー出版) 「Formulas,Ingredients and Production of Cosmetics」(Springer-Veriag GmbH) 他多数
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