【週刊粧業2014年1月27日号4面にて掲載】
通販業界は他の業界と違い、同業他社に関する広告やツールを手に入れることが比較的容易にできる業界です。
広告を日々収集したり、商品を購入すれば、どの企業が、どのような商品をどのような価格で販売し、どのように顧客フォローをしているかを知ることができるためです。
その反面、同業他社との交流はあまり積極的になされず、自社の情報をあまり外に出さないという傾向にあります。
しかし、現在のように情報が氾濫するなかで、広告やツールといった容易に手に入れた表面的な情報を鵜呑みにしたり、社内の限られた情報だけに頼って、意思決定を行ったりすることには限界があります。
そこで、重要になってくるのが、同業他社との積極的な交流を持つことです。
弊社では、通販事業会社を複数社集め、時々勉強会や情報交換会を行っています。そこでは、差し支えない範囲で、参加企業同士が、自社の取り組みや数字、成功事例や失敗事例を話すなど互いに共有を行っております。
このような会のメリットとして、一人または自社内で悩むより別の会社の意見を聞くことで、視野を広げることができますし、広告、DM、システムなど直接売上、利益につながる情報を得ることもできます。
また、数多くの生の事例を聞くことで、自社では人員が少ないからできない、システムがないから不可能と思っていたような取り組みを実は、他社では限られた人員で簡易的なシステムを使って工夫を凝らして行っているということも知ることができ、固定概念の打破にも役立ちます。
一方、このような場を持つときに気をつけなければならないことがいくつかあります。それは、価値観の異なる人、他社の情報は聞きたいが、自分は言わないような人をグループに入れないことです。
折角お互いの情報をオープンにして共有をする場であるのに、自分だけが良ければという人が入ることで、その場の空気が乱れてしまうためです。また、通販事業社以外の会社を入れないということも大切です。単なる営業の場に利用されたり、参加者が情報の開示をためらうようになったりしてしまうためです。
そして、最も重要なことは、情報を得ることが目的にならないということです。交流によって得た情報をヒントに、自社独自の取り組みに活用していってください。
船生千紗子
(株)通販総研 化粧品専門コンサルタント
通販に特化した広告代理店を経て、株式会社通販総研に入社。現在、化粧品通販新規参入支援、化粧品通販企業向けに新規顧客獲得、リピート顧客育成による売上アップ支援を行っています。クライアントの強みを伸ばし、着実な成長を促すことをモットーにしています。
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