第51回 「『時代遅れの常識』をこわす女性たち」

【週刊粧業2014年7月28日号15面にて掲載】

 「私、これからは、バレエと歌で演じる側の人もやっていきます」。8年ぶりに会った美帆さんは、目をキラキラさせながら、びっくりする転身の報告をしてくれました。

 早稲田大学在学中に、若干21歳で芸能プロダクションを起業。自分たちのまわりにいた美しく才能溢れる女子大生をメインにマネージメントをはじめた美帆さんは、女性社長として、マスコミにも華やかに取り上げられ、その道を邁進しているものとばかり思っていました。

 それが、聞いてみると、芸能界の古いしきたりに過酷な現実を味わったといいます。欲の強い人たちの集まりの中、まともなやり方だけでは、大きな仕事を取ることが難しいという常識、そして、次から次へと人気タレントを生み出しては棄てる、「使い捨て文化」の現実。これらの芸能界の文化についていかなければと必死だった20代の美帆さんは、体調を崩すほど疲れ切ってしまっていたのです。

 それでも、彼女の凄いところは、「こんなやり方、絶対おかしい!」と思う気持ちから、「使い捨て」にされない人たちが集まるプロダクションづくりを目指したことです。容姿がいいだけでは無い、例えば「世界大会一位の一輪車アーティスト」や「元舞妓のマナーインストラクター」など、「お前の代わりならいくらでもいる」とは言わせない、自分が大切だと思えるものを、きちんと表現できて、なおかつ美しい女性たちをマネージメントしてきたということです。

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中村浩子

(株)ヴィーナスプロジェクト代表取締役社長

「JJ」「VERY」等ファッション誌の編集・企画を手がけ、黒田知永子や三浦りさ子等、その時代を代表するタレントをプロデュースし、トレンドを生み出してきた。 現在まで読者モデルを1万人以上発掘しており、現在は女性消費者を取材し続けてきたノウハウを活かし、ファッション・アクセサリー・ビューティに関わる商品開発やイベントを企画、ブランドプロデュース、コンサルティングまで幅広く行っている。

http://www.venus-project.jp/pro/02.html

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