【週刊粧業2014年6月23日号4面にて掲載】
よく、ネット経由で商品を購入したお客様へは、メールマガジンのみのフォローで良いですか?という質問を受けます。このような質問に対して、必ず、メールマガジンを使ってのフォローと併せて、ネット経由以外の顧客と同じようにDMを使ってのフォローもお勧めしております。
その理由は、ネットで商品を購入した人が、新聞、雑誌などの紙媒体を一切見ない、ネット以外の購入手段を選ばないということはなく、その時々の状況に適した媒体から、情報を収集したり、商品を購入したりするためです。特に最近では、直接商品をお店で見てから、ネットで購入する、またその逆で、ネットで気になる商品を見つけ、直接お店に行き、そこで商品を購入するといったように、顧客は自由に自分に適した方法で商品を購入しています。
ネットで購入したお客様は、自分がネット顧客という認識を全くもっていなく、ネットのお客様はネットでフォローというのは、売り手側の先入観からくる考えであります。
通販企業A社は、10代後半~20代前半向けの商品を販売しています。購入者のほとんどがPCやスマホを使って商品を購入していますが、顧客フォローとして、メールマガジンの他に、隔月で会報誌DMを送っています。実際、顧客の反応を見てみると、会報誌DMを見て商品を選び、買う時はPCやスマホからという流れが出来ています。
また、メールのオプトイン規制により、受信許諾者のみにしかメールマガジンを送ることが出来ず、メールだけに頼ったフォローの組立ての場合、受信不可な人には、一切フォローが出来ないことになってしまいます。
ある通販企業B社は、購入者のほとんどがネット経由からの注文のため、メールマガジンでのフォローしか行っておりませんでした。しかし、ある時から、メールマガジンの他に、DMを送る事にしたところ、リピート率のアップに役立ちました。リピート率のアップはいくつかの要因はあると言えますが、フォローを出来る人数が増えたことも一つの要因であると考えられます。
また、ある企業では、カタログ制作費、発送費の削減のため、従来は年4回送っていたカタログを年1回にし、メールマガジンによるフォローの強化に踏み出しました。メールでのフォローは増えましたが、顧客へのカタログ送付の回数が減ったために、売上は下がるという結果を招いてしまいました。
顧客がどのような媒体で情報を収集し、どのような手段を使って商品を購入するかは、わかりません。そのため、売り手側が持っている先入観を一度捨て、顧客が自由に商品を選び、購入出来る環境作りを心がけていくことが大切です。