第7回 有名ブランドの管理は大変! シャネルに学ぶブランド保護

【週刊粧業2016年2月29日号4面にて掲載】

 いつの時代も香水の世界の女王として君臨する「シャネル№5」。シャネル社は香水以外にもファッション、化粧品、バッグ、時計など幅広い事業展開で知られている著名ブランドですが、その知名度ゆえに商標にまつわるさまざまな問題に悩まされてきました。今回は、有名ブランドの管理の悩みというテーマで三つの事例をお話ししたいと思います。

 一つ目は、「○○タイプ」「○○風」といった表現で第三者に自社商標が使用されてしまうという問題です。

 あくまで製品内容の説明であり商標として使っているわけではないという考えもあろうかとは思いますが、有名ブランドの信用に乗っかって商品を販売しようとする意図が見え隠れします。

 実際に、「シャネル№5タイプ」という表示を付して香水を販売していた会社が、シャネル社より商標権侵害に基づき訴えられた事件がありました(東京地裁平成5年3月24日判決)。裁判所が下した判断は、上述の表示がシャネル社の商標権を侵害するというものでした。

 「○○タイプ」「○○風」といった表現を使ったら即商標権侵害というわけではなく、具体的な表示の仕方や、シャネル社の商標の著名性などが考慮されての判断だったわけですが、通常「○○タイプ」などという表現を使われる以上は有名な商標でしょうから、何か法的なアクションを取れる権利がある場合が多いのではないでしょうか。

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髙橋 伸也

フルブルーム国際商標事務所 所長弁理士

早稲田大学政治経済学部卒業。日本でも数少ない商標専門事務所を経営。化粧品・日用品業界をはじめとした中小・ベンチャー企業の商標出願支援と外国・国際商標出願支援を得意としている。商標・ブランディングの専門家として数々のメディアに寄稿している。

http://www.fullbloom-tm.jp/

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