第17回 トレンドは自社で作る!流行語の商標権を確保する方法

【週刊粧業2017年1月30日号6面にて掲載】

 昨年もさまざまな語が流行しましたね。化粧品業界においても毎年次々と新しい語が出てきて、時には流行語となって化粧品業界のマーケティングの場を席巻します。そのような流行語を独占的に使えたら、それは強力なマーケティング上の武器になりますよね。実は、そのような観点からメイク法やコンセプトについてのワードを積極的に商標登録する企業様も多々いらっしゃいます。今回は、そのような例をご紹介いたします。

 たとえば、C&Tの9月15日号にて取り上げられていた小林製薬グループのジュジュ化粧品の事例です。同社は、従来「マダムパック」と呼ばれていた使用法を現代風にアレンジして、「これだけ塗り」というコンセプトとしてアピールしています。具体的には、同社製品「マダムジュジュ」だけをお風呂あがりに塗って、肌にある水分を閉じ込めるシンプルなスキンケア法のことだそうですが、「これだけ塗り」という言葉にそのコンセプトが凝縮されており非常に効果的に伝わります。

 また、思わず言葉にしたくなるネーミングでもありますよね。小林製薬はもちろん「これだけ塗り」の商標権を「化粧品」や「薬剤」などについて取得しています。これにより、他社の使用を防ぐことができ「これだけ塗り」と言えば「マダムジュジュ」(又は小林製薬グループ)といった強力な結びつきを維持することができ、「これだけ塗り」がこれまで以上に流行した際にもその流行の恩恵を独占的に享受することができるようになるわけです。

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髙橋 伸也

フルブルーム国際商標事務所 所長弁理士

早稲田大学政治経済学部卒業。日本でも数少ない商標専門事務所を経営。化粧品・日用品業界をはじめとした中小・ベンチャー企業の商標出願支援と外国・国際商標出願支援を得意としている。商標・ブランディングの専門家として数々のメディアに寄稿している。

http://www.fullbloom-tm.jp/

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