第27回 日本文化・外国文化のブランドイメージへの活用法

【週刊粧業2017年11月20日号5面にて掲載】

 弊所では日本企業が外国へ進出するパターンのほか、外国企業が日本へ進出するパターンのお手伝いもしておりますが、どちらのパターンにおいても「日本ブランド」であることを意識し、ブランディング上重要視している企業様が少なくありません。その重視の理由は複層的で一つではありませんが、一定の傾向が見えてきて面白く感じています。

 たとえば、日本企業のクライアント様は、和をイメージさせる商標を採択して、店舗イメージやマーケティング戦略などでもそれを全面に押し出すなど日本の文化的イメージを強調するケースが多いように思います。もちろん、海外進出対象国はそういった文化的なアプローチを受け入れる素地のある欧州・米国等のいわゆる先進国となります。

 一方、主に中華圏の外国企業のクライアント様が日本のイメージを活用されようとする場合、日本製品が持つ信頼感・安心感などを強調するのが目的なので、文化的なものにはとらわれず、たとえば日本でよくある苗字を使うといったような日本とのつながりが意識される商標を選んでいるように感じます。

 そうした企業様の海外進出対象国は中華圏や東南アジアとなります。もちろん、これらはあくまで傾向であり、目的意識もブランディング戦略もこれらのハイブリッドであることの方が多いですが、日々お客様にアドバイスする上での参考になっています。

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髙橋 伸也

フルブルーム国際商標事務所 所長弁理士

早稲田大学政治経済学部卒業。日本でも数少ない商標専門事務所を経営。化粧品・日用品業界をはじめとした中小・ベンチャー企業の商標出願支援と外国・国際商標出願支援を得意としている。商標・ブランディングの専門家として数々のメディアに寄稿している。

http://www.fullbloom-tm.jp/

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