第35回 キャッチフレーズの守り方

【週刊粧業2018年10月10日号4面にて掲載】

 自社や自社商品を象徴するキャッチフレーズ・タグラインを他社に勝手に使われてしまったら問題ですよね。これまで、キャッチフレーズは識別力が無い(自社と他社を区別する標識として機能しない)という理由で、一部の例外を除き商標登録することができませんでした。

 しかし、実際にはキャッチフレーズは企業活動上重視され、商標として機能するケースも多々あることから、2016年の特許庁の商標審査基準の改訂により、キャッチフレーズの商標登録の審査における考え方が明確化され、結果的にハードルが低くなりました。今回はその変更等について解説したいと思います。

 まず、商標が「商品・役務の宣伝広告」や「企業理念・経営方針等」を普通に表示したものとして認識される場合には原則登録できないのはこれまでと同様です。しかし、そうしたものであっても、商標として機能するケースは登録できるわけです。
 「商品・役務の宣伝広告」として見られるかどうかの判断基準としては、その商品・役務の説明になっている、特徴、品質等を表している、宣伝広告において一般的に使用されていることなどが挙げられます。逆に言えば、その商品・役務との関係で直接的・具体的な意味合いが認められず、自社が一定期間使用しているにも関わらず他社が使用してないようなケースであれば商標として機能しており、登録できるという判断になります。

 「企業理念・経営方針等」についても同様で、他社に対する優位性を説明するだけの言葉ではなく、自社が一定期間使用しているにも関わらず他社が使用してないようなケースであれば登録できるという判断になります。

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髙橋 伸也

フルブルーム国際商標事務所 所長弁理士

早稲田大学政治経済学部卒業。日本でも数少ない商標専門事務所を経営。化粧品・日用品業界をはじめとした中小・ベンチャー企業の商標出願支援と外国・国際商標出願支援を得意としている。商標・ブランディングの専門家として数々のメディアに寄稿している。

http://www.fullbloom-tm.jp/

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