第15回 子供のような○○

【週刊粧業2015年2月23日号16面にて掲載】

 皆さんは『ネオテニー(neoteny)』という言葉をご存知でしょうか?生物学の分野で使われる言葉で、「動物において、性的に完全に成熟した個体でありながら非生殖器官に未成熟な幼生や幼体の性質が残る現象」を意味します。早い話が「大人になっても子供の要素は持ち続ける」ということです。

 動物の話ですが、「大人に子供の部分がある」というのは、人間にもあてはまります。そして、ビジネスの現場ではこのネオテニー発想がヒットの鍵となるケースが多いと最近思うようになりました。

 例えば、昨年、空前のブームとなったのは、大人まで巻き込む子供商品なのに大人を刺激する要素が盛られた2つの子供向けのコンテンツでした。「妖怪ウォッチ」には、キャラクターの中に、アップル創業者の故スティーブ・ジョブズと映画「ジョーズ」を掛けたスティーブ・ジョーズというメガネをかけたサメがいます。ヨップル社の社長で妖怪IT業界の革命児という設定で、お父さんたちの心を刺激します。

 また、「アナと雪の女王」には、第一印象がいい王子様が必ずしも善人ではないという大人の恋愛指南書のようなストーリーで未婚女性の心を揺さぶりました。2つとも子供をターゲットにした商品ですが、化粧品にもこの考えを応用できないでしょうか?

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廣瀬知砂子

女性潮流研究所 所長 / 商品企画コンサルタント

実践をモットーとする化粧品コンサルタント 現場発想で生み出した独自の商品企画法やトレンド分析法で、大企業から中小企業まで多くのヒット商品を手がけている。

http://www.beautybrain.co.jp/

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