【週刊粧業2019年5月27日号6面にて掲載】

 化粧品企画はエッジのある言葉を考えられるかという点がとても重要です。難解すぎる造語だと理解されませんし、平易すぎると印象に残りにくい……といったように、わかりやすいけどオリジナリティがあるというのが条件となります。

 たとえば、資生堂「エリクシール」の「つや玉」。最初は無理やり感があった気もするのですが、ていねいに訴求し続けたことで、消費者の認知と共感が高いワードに育っていきました。実のところ、一回のプロモーションで飽きてしまって、育つ前に切り捨ててしまうというケースが多いのです。ブランディングは粘りの力が必要だと改めて勉強になりました。

 ほかに、花王「ビオレZ」の「ニオイ垢」という言葉もあります。一度聞いただけで「あるある」と思ってしまうし、なるほどと思ったのは、ワキだけでなく足指の間・足の爪垢・かかと・耳裏といった部位への使用提案です。普通のボディシートにはないベネフィットを簡潔に表現しています。

 古い角質や垢はニオイの原因ですし、耳の後ろからは加齢臭が発せられると言われていますからピッタリの言葉です。

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廣瀬知砂子

女性潮流研究所 所長 / 商品企画コンサルタント

実践をモットーとする化粧品コンサルタント 現場発想で生み出した独自の商品企画法やトレンド分析法で、大企業から中小企業まで多くのヒット商品を手がけている。

http://www.beautybrain.co.jp/

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