第66回 手の届く贅沢に揺れる女心

【週刊粧業2016年3月21日号14面にて掲載】

 3月3日前後、お雛祭りにまつわる投稿がSNS上でも氾濫していましたが、思わず目をとめてしまったのは、「娘のために作ったちらし寿司、ヘアビューザーの冷風をあてたら、美味しくなった気がしました」という内容のもの。「さすがにそれは無いでしょ」と心の中でツッコミながらも、いよいよ、髪の神ドライヤーの信仰もここまできたかと実感する投稿でした。

 ここで、注目すべきは、有名家電メーカーから発売のイオンドライヤーなど、髪に優しいといわれてきたドライヤーが沢山ある中で、ヘアビューザーが2万円越えの高価格帯にもかかわらず、トップランナーに躍り出た理由です。

 それは、今の女性のお買いもの気分「手が届く贅沢」に揺れる女心を上手く捉えたからでしょう。使うほどに、潤いを与えながら髪質が改善され、しっとりつややかになるという美髪の実感と、肌に冷風を当てるだけで、キメが整い、潤いを増し、顔がリフトアップするという美肌効果も得られるという二つの美容メリットを、ドライヤー一本が叶えてくれるというなら、2万円以上でも決して高くないと思う女心。

 さらに、髪と肌を美しく育てる美容機器として、白を基調としたスタイリッシュなヴィジュアルが「手が届く贅沢」のライフスタイルをイメージできるものであったこと。さらには、家電売り場でない、コスメキッチンのような「手が届く贅沢」が集められた店舗に、唯一並べられたドライヤーであるという見せ方も、憧れの世界観を保つて支持された大切なポイントだったかと思います。

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中村浩子

(株)ヴィーナスプロジェクト代表取締役社長

「JJ」「VERY」等ファッション誌の編集・企画を手がけ、黒田知永子や三浦りさ子等、その時代を代表するタレントをプロデュースし、トレンドを生み出してきた。 現在まで読者モデルを1万人以上発掘しており、現在は女性消費者を取材し続けてきたノウハウを活かし、ファッション・アクセサリー・ビューティに関わる商品開発やイベントを企画、ブランドプロデュース、コンサルティングまで幅広く行っている。

http://www.venus-project.jp/pro/02.html

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