第32回 アンケートを活用してお客様を知ろう!

【週刊粧業2015年11月23日号12面にて掲載】

 化粧品通販事業では、リピート顧客の育成が何よりも大切です。しかし、自社の顧客の事を知らずして、お客様を満足させられるような商品やサービスを提供する事はできません。そこでお客様を知るために、定期的にアンケートを実施しています。お客様一人一人を知ることを目的としたアンケート項目を作り、商品の改良、サービス改善のヒントにつなげていきます。

 アンケートをお客様にお願いしてもなかなか回答が返ってこないというような相談を多く受けますが、弊社のクライアントでは、アンケート用紙を商品に同梱せずに個別で送り、アンケート依頼をしております。

 こうすることで、平均して40%程の回答を、多いところでは50%以上もの回答を得ることができています。このような回答数の結果から、お客様も企業とコミュニケーションを取りたがっているということも知ることができました。

 通販会社A社は、アンケートを実施したところ、購入前に期待していた効果を感じているお客様が多くいることを知ることができました。また、支払い方法については、クレジット払いを要望する声も多く、クレジット払いの案内を積極的に行うことにしました。また、回答結果をまとめあげ、社内で共有するだけでなく、他のお客様への情報発信用のコンテンツとしても活用しています。

 また、化粧品通販会社B社は、積極的にお客様へのアンケートを実施したことがありませんでしたが、『何故、お客様は商品を買い続けているのか?』を知ることが、購入をやめてしまった人の理由を探るきっかけになるのではという仮説を立て、アンケートを実施しました。

 結果として、予想を上回る回答が寄せられ、その声を一つ一つ読んでみると、園芸や裁縫や写真など様々なことに熱心に取り組まれているお客様が多いことがわかりました。そこで、そのような作品の写真を送ってもらい、B社が発行しているニュース通信へ掲載をすることにしました。

 頑張っていることを多くの人に見てもらい、それによって『嬉しい』と感じてもらえることがお客様の喜びへと繋がるのではと考えたためです。商品に関する声だけではなく、普段のライフスタイルを知ることからお客様に喜んでもらえるサービス作りに繋げることができました。

 化粧品通販会社C社は、定期的に会報誌の内容に関するアンケートを実施しています。お客様は会報誌を読んでくれているのか? どの程度読んでいて、どのような内容に興味を持たれたのかを聞きます。こうすることで、お客様に適切な情報、喜んでもらえる情報とは何かを知ることができ、魅力ある会報誌作りへと役立てています。また、社内で検討している新サービスについて、予め魅力に感じるかを聞き、導入決定の参考にしています。

 通販事業は、お客様の顔を見て商品を販売しないため、お客様が満足をしているのか、不満を持っているのかを直接感じることができません。そのため、出来るだけ定期的にアンケートを行い、お客様の声に耳を傾け、サービス改善のヒントや新サービスへと繋げて行ってください。
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船生千紗子

(株)通販総研 化粧品専門コンサルタント

通販に特化した広告代理店を経て、株式会社通販総研に入社。現在、化粧品通販新規参入支援、化粧品通販企業向けに新規顧客獲得、リピート顧客育成による売上アップ支援を行っています。クライアントの強みを伸ばし、着実な成長を促すことをモットーにしています。

https://www.tsuhan-soken.com/

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