第38回 賑やかしさの大切さ

【週刊粧業2016年7月25日号5面にて掲載】

 少し前のことですが、オーガニック化粧品を販売しながら、エステサービスも提供をしているお店に行ってきました。店内はとても可愛らしく、女性ならとてもワクワクするような空間でした。

 そして、店内を見渡すと、そのお店がお客様に提供したい価値や、どのような生産地で作られた素材を使っているかなどあちらこちらに沢山のPOPがあり、ある意味、洗練されたいうよりは賑やかさを感じるお店でした。

 その時、思い出したのが、以前、あるチェーン展開をしているバラエティショップを調査していた時のことです。

 そのバラエティショップは、ほとんどが駅ビルの中に入っており、比較的立地が良いお店です。取り扱ってる商品はどのお店も同じなのですが、店舗によって雰囲気が異なるのです。

 大きくは商品がキレイに陳列され整然としたお店と、POPなどが随所にある賑やかさを感じるお店の2つに分けられました。

 ある時、本部の方と打合せをしていた時に、『○○店はとても賑やかな店舗ですね』とお伝えしたところ、『チェーン店の中でもとても売上が良いお店なんですよ』とお答えになられていたので、同じような印象を受けたお店の名前をいくつか挙げたところ、そのどれもが売上が良いお店でした。

 逆に、『△△店は対象的な雰囲気でしたね』とお伝えすると、前者のお店と比べると比較的売上が低い店舗ということでした。

 同じような立地条件で、同じ商品を取り扱っていても、売れる店舗と、売れない店舗があり、その違いは、取り扱っている商品を目に止めてもらい、興味を持ってもらう工夫を行っているか否かなのです。

 我々通販業界から見ると、お店は直接お客様に商品の説明ができ、それぞれのニーズに合わせた提案もできるので羨ましく感じる部分もあります。

 しかし、実際には、お店でも1人1人のお客様に対応できないことや店員からの声かけを不快に思うお客様もいるのです。そのようなお客様にも目に止めてもらい興味をもってもらう為の方法を常に模索しているのです。

 売上が伸び悩むと、価格や商品のせいにしたくなりますが、販売チャネルが違えど、お客様に興味を持って見てもらうには同じだけの苦労と工夫が必要なのです。

 通勤途中で、何故だか繁盛をしているというお店を見かけたら、是非とも足を踏み入れて店内を見渡して見てください。そこには、興味をもって引きつけるというヒントが隠れているかもしれません。
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船生千紗子

(株)通販総研 化粧品専門コンサルタント

通販に特化した広告代理店を経て、株式会社通販総研に入社。現在、化粧品通販新規参入支援、化粧品通販企業向けに新規顧客獲得、リピート顧客育成による売上アップ支援を行っています。クライアントの強みを伸ばし、着実な成長を促すことをモットーにしています。

https://www.tsuhan-soken.com/

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