【週刊粧業2016年8月22日号4面にて掲載】
専門性、業務の質を高めるために、同じ業務に長く携わることは重要ですが、一方で視野を狭め、課題の発見、新しい事への挑戦を阻むというデメリットもあります。
その為、ある一定の割合でジョブローテーションをすることは、個人の成長や事業の広がりにおいてとても重要です。
あるクライアント先では、Web担当、紙などのオフライン担当というような形で業務を明確に区分けしていました。
その為、スタッフが突然辞めてしまうなどの事態があると、その業務について深く理解をしている者が居なく、慌てて他のスタッフが場当たり的に対応するという形になっていました。
しかし、そのような状況で業務を振り返ってみると、今はやらなくても良いような取り組みを慣例的に行っていることがいくつかあるなどの発見をすることができました。
当時は必要でも、時間が経つにつれ取り組む必要がなくなっていたのです。しかし、昔からやっていることだから当たり前のように取り組んでいたのです。
このようなことは、恐らく多くの企業で日常的に起こっていることと思います。何かしらのきっかけがないと日々の細かい業務を振り返ることは優先度の低いこととして置かれているためです。
通販企業A社も、専門性と効率の追求から、1人の人がある特定の業務を担う形で長くいました。その結果1つ1つの業務の質はとても高いレベルを保つことができているのですが、さらなる事業発展を考えると、業務の理解者が特定の1人でしかいないということは事業発展に大きなリスクを伴うと考えました。
そこで、業務経験者を増やすために積極的にジョブローテーションを行っています。各人が専門性高く業務にあたっていたため、ジョブローテーションをすることで、一時的に業務の質を落とすことにもなりますが、これは社内全体でジョブローテーションの理由を理解することで、リスク回避につながっています。
長く1つのことだけに携わり続けていると、その業務の範囲内で物事をみようとしがちです。しかし、見方を変えることで、新しい気づき、アイディアが生まれます。その結果今まで出来ないと考えられていた事が可能になったりと好循環を生むきっかけにもなります。
ジョブローテーション積極的に取り入れて見てはいかがでしょうか?