第42回 商品教育の徹底

【週刊粧業2016年10月31日号6面にて掲載】

 事業が軌道にのっていくとスタッフの増員や商品の追加を行いさらなる売上アップを目指していくことになります。その際に、重要なこととして、商品に関する教育の徹底があります。

 売上げが順調に伸びてから入社した社員の中には商品知識が不足しているというような現状を目の当たりにすることがあります。特に通販企業では、事業の仕組みや業務に関する教育は徹底しているのですが、商品に関する教育、皮膚理論に関する知識の徹底が追いついていないこともあり、自社のスタッフよりも昔からお付き合いのあるパートナー企業のほうが商品について詳しいというような状況も珍しくありません。

 化粧品通販会社A社では、入社した社員に必ず商品のプレゼンを全社員の前でしてもらうことを習慣化しています。

 社内で得た知識をただ披露するだけでなく、他社研究をしながら、他社であればどのように商品の説明をしているのか、お客様からの質問にどのように回答をしているのかも自身で情報を集め、それらの内容を元にプレゼンに挑みます。

 教えてもらった情報以外に自らが広く情報集めをすることもあり、知識の定着が深くできる点でとても良い取り組みとなっております。

 通販会社B社では、スタッフ間の業務変更に伴い、自身が担当をしていた商品以外の情報について不足しているということがわかりました。

 そこで、化粧品OEM会社に協力をいただき、商品に関する勉強会を行ってもらうことになりました。どんな成分が配合されているのか、どのような悩みを持つ人に効果が期待できるのか、どのように使用するのかなど、基本的なことばかりですが、このような勉強会を通して、理解しているであろうと思っていたことも、実は曖昧になっていたことなどが1つ1つ明確になり、スタッフ間の知識レベルを合わせることができました。

 また、ある化粧品通販会社C社では、製造工場へ訪問し、商品がどのように作られているのか、お客様にどのように届くのかの見学をしています。

 聞いて知っていることと、実際自身の目で見たことでは、知識の定着に大きな差ができます。また、お客様にもよりリアリティを持ってお伝えすることに役立っています。

 お客様にとっては、どのスタッフが商品について詳しいかなどわからない状態で質問をしてきます。商品やお肌について詳しい人もいれば、詳しくない人もいるという状態では、お客様からの信頼を損ないかねません。

 仕組みや業務の教育も大切ですが、まずは商品教育の徹底に力を入れてみてはいかがでしょうか?
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船生千紗子

(株)通販総研 化粧品専門コンサルタント

通販に特化した広告代理店を経て、株式会社通販総研に入社。現在、化粧品通販新規参入支援、化粧品通販企業向けに新規顧客獲得、リピート顧客育成による売上アップ支援を行っています。クライアントの強みを伸ばし、着実な成長を促すことをモットーにしています。

https://www.tsuhan-soken.com/

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