第45回 DM(ダイレクトメール)の活用

【週刊粧業2017年4月3日号4面にて掲載】

 多くの化粧品通販企業では、リピート購入促進等の為にDMを広く活用しています。DMはアウトコールなどと比べ比較的に安価な費用で確実にお客様にリーチでき、かつ、数多くのテストを実施できるというメリットがあります。

 DM施策を行う際に重要なこととして、

 ①DMの目的を明確にすること。

 ②DM対象者の絞込みを行うこと。

 ③わかりやすく、メリハリのついたクリエイティブにすること。

 ④毎回必ず結果を検証することが挙げられます。

 DMの目的には、定期コースへの誘導、キャンペーン、まとめ売り、クロスセル、新商品案内、休眠掘り起こしなどが挙げられます。目的を明確にすることで、DM対象者の絞込み、DMのクリエイティブ作りにも反映しますので、必ず実施前には目的を明確にして行うことが大切です。

 通販企業A社は、休眠掘り起こしを目的に以前まではアウトコールを行っていました。電話がつながったお客様の商品購入率は高い一方、不在の方が多い、実施の費用が高い、事前準備時間が多くかかるという課題を抱えていました。そこで、DMを活用した休眠掘り起こしをテスト的に実施したところ、アウトコールよりも費用対効果が良く、かつ、経費を抑えることにもつながりました。

 化粧品通販企業B社は、肌に深い悩みを抱えているお客様をターゲットとしています。その為、初めて商品を購入したお客様に対し、直接的に売りを目的としたDMを送るのではなく、商品に使われている成分、製造工場、安心安全への追求についてなど自社の取り組みに関する情報を複数回に分けて送っています。このような取り組みにより信頼醸成に繋がり、結果高いリピート率を維持しています。

 通販企業C社は、お客様フォローを目的に、毎月1回必ず封書タイプのDMを送付しています。DMの形状についてそれまではテストをしたことがなかったので、あるとき往復ハガキにて、商品購入を目的としたDMを実施しました。

 その結果、今までの封書タイプのDMと比べ、かなり多くの反応があることがわかりました。それまでは、継続を目的にお客様への有益な情報提供と販売を目的とした内容が混在していましたが、案内したい商品があるときは、それだけを目的としたDMのほうがお客様に伝わりやすいということがわかりました。

 DMを実施後、ときどき結果検証をせずやりっ放しにしているケースを見かけます。このような場合は、何となく良かった、悪かったという感覚的な判断に委ねられ、次の取り組みに活用できません。目的を明確にし、目的に合わせて対象者を絞り込んだDMの場合、検証を繰り返すことで、何が良く、何を改善するべきかが次第に見えてくるので、DM効果の精度を上げていくことができます。

 DM実施後は必ず検証を忘れずに行ってください。
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船生千紗子

(株)通販総研 化粧品専門コンサルタント

通販に特化した広告代理店を経て、株式会社通販総研に入社。現在、化粧品通販新規参入支援、化粧品通販企業向けに新規顧客獲得、リピート顧客育成による売上アップ支援を行っています。クライアントの強みを伸ばし、着実な成長を促すことをモットーにしています。

https://www.tsuhan-soken.com/

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