第47回 社員の成長を促す取り組み

【週刊粧業2017年5月22日号4面にて掲載】

 会社が安定して業績を伸ばし続けていくためには、働く社員一人一人の成長が何よりも重要です。そのため、経営者はいかに成長する環境を整えていくかが重要になっていきます。

 通販会社A社は、毎週1件~2件の改善提案を全社員が出すという取り組みを行っています。この取り組みにより年間にして1人で70件~100件ほどの改善提案が出てくるようになりました。

 提案された内容は社員からなる改善実行委員会にて優先順位を決め、誰がどのように実行をしていくかを決めていきます。

 日々の小さな気づきをひとつひとつ改善していくことが後に大きな変化につながっていくという実感が経営者にあり、定着した取り組みとなっています。

 また、A社には毎月1人誰かが5日以上休むという取り組みがあります。これは、自分が不在にしても業務がスムーズに回るような仕組み作りを行うという目的があります。

 このような仕組みを取り入れることで、業務の効率化につながっています。

 通販会社B社は、毎月1回朝1時間半ほどかけて、お客様から寄せられた喜びの声、クレームなどを全て共有する会議を行っています。よくあるのがお客様から寄せられた声などは、関係部署が見てそのままにしてしまうケースです。どうしても日々の忙しさから意図しないと声を見る為の時間を設けないものです。

 しかし、毎月会議としてお客様の声を共有するという時間を設けることで、社員全員がどのような声が多く寄せられ、どのようなクレームがあるのかということを知ることが出来ます。

 そこから新たなアイディアを生み出すきっかけにもつながっているようです。

 このような取り組みは一時的に行うだけでは効果として現れにくいため、会議として組み込んでいくことで、長く定着させることを可能にしています。

 通販会社C社は、1年に1度商品知識のテストを行い、知識の定着を図っています。普段からお客様に商品について説明している社員であれば、ある程度の商品知識を持ち続けることは可能でしょう。

 しかし、お客様に伝える機会が少ない社員にとっては、このような取り組みがあることで、知識の定着のための努力をすることにつながっていきます。

 どのような取り組みも日々の積み重ねが何よりも大切です。一時的に取り入れるだけでは、期待する成果は現れません。

 社員が成長をしていくためにも、長く継続した取り組みにしていくことを心掛けていってください。
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船生千紗子

(株)通販総研 化粧品専門コンサルタント

通販に特化した広告代理店を経て、株式会社通販総研に入社。現在、化粧品通販新規参入支援、化粧品通販企業向けに新規顧客獲得、リピート顧客育成による売上アップ支援を行っています。クライアントの強みを伸ばし、着実な成長を促すことをモットーにしています。

https://www.tsuhan-soken.com/

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