【週刊粧業2017年9月25日号6面にて掲載】
事業を成功させていく上で重要なことに、絞り込みがあります。
売りたい商品を決めず、やみくもに商品を販売すると広告費が分散します。媒体を絞らずに広告出稿をすると、狙っているターゲットに魅力が伝わらず、レスポンスが低下します。
豊富な資金があれば、ターゲットを広げて、様々な商品を提案していくことは可能でしょう。
しかし、基本的には有限な資産をいかに効率よく活用していくかが求められています。そのためには、販売するべき商品の絞り込み、ターゲットの絞り込み、新規取りをしていくための広告媒体の絞り込みが重要になります。
通販会社A社は、売上アップのために、販売商品の数を拡大していきました。売上はそれに伴い上がっていったのですが、在庫を多く抱えることとなり、収益性の面で課題を抱えてしまいました。
そこで、商品の販売分析をもとに売上比率の低い商品の取り扱いを止め、主力商品の販売に経営資源を集中させました。結果、売上、利益ともに増やすことが出来ました。
化粧品通販会社B社は、5品からなる商品ラインとトライアル品を作り、通販事業をスタートさせました。
事業スタート時点では、どの商品をメインに据えて新規顧客の獲得をしていくかを決めず、さらに、ターゲットの絞り込みもしないまま、さまざまな広告媒体への出稿を繰り返し行っていました。
1度広告出稿して反応が良くないという理由だけで、商品や出稿媒体を変えてみても、広告の勝ちパターンづくりは出来ず、期待するような成果を出すことにはつながりません。
そこで、5つの商品の中から1番リピート率の高い商品を新規獲得商品として絞り込みを行いました。
さらにターゲットの絞り込みを行う目的で広告媒体の選定を行いました。
その結果、分散されていた予算と労力を1つの商品、媒体に集中することが出来、スムーズな広告テストが可能となりました。
何を売りたいのか?誰に売りたいのか?を絞り込めば絞り込むほど、商品特性が明確になり、特定ターゲットに強い印象を残すことになります。
逆に絞り込みによる機会損失を恐れるあまり広げすぎると、一体どのような特徴がある商品なのかが曖昧となり、ユーザーに強い印象を残すことが出来ません。
売上アップの施策等を考える際は、商品を広げ過ぎていないか?ターゲットは広くないか?という視点を持ちながらアイディアを出してみてはいかがでしょうか?