【週刊粧業2018年6月11日号18面にて掲載】
多くの通販企業では、Webでの初回購入者を対象にリピート購入を促すステップメールを活用しています。
ステップメールとは、初回購入者に予め用意した複数のメールを、決めたスケジュールに従って配信していく取り組みです。
目的は、商品理解を早い段階で促すこと、企業に対する信頼感を醸成することでリピート購入へとつなげることです。
ステップメールのメリット3つあります。1つ目は、アウトコールやDMと違い安価な費用で始められること、2つ目は、一度メールを制作したらシステムに設定をするだけで自動的に配信されるので、手間がかからないこと、3つ目は、メールの反応を見ながらすぐに内容の改善が出来ることです。
化粧品通販会社A社は、商品購入後、1カ月に10回ステップメールを送っています。流れとしてはすぐに購入を促すのではなく、情報をしっかり伝えることを意識しています。
内容は、最初にお客様が抱える肌悩みが、何故起きるのかという原因を明らかにし、その対処法を丁寧に伝えていきます。その後、お客様によって抱える悩みの症状は様々ですので、症状別のケア方法についても提案を行っています。そして、ようやく最後の10回目に積極的に自社商品の案内を行っていきます。
悩みの原因やケア方法が分からないうちに、商品の特徴ばかりを伝えても、その商品の必要性の理解を促すことが出来ません。そのため、少し遠回りかもしれないですが、しっかりと啓蒙した後に、商品の案内をするようにしています。結果として、リピート率の高さと、複数商品の購入率の高さを実現しています。
化粧品通販会社B社は、定期コースを利用して商品を使い始めたお客様に6カ月かけて20回以上にもわたるステップメールを送っています。悩みを解決するにはどうしても長い時間が必要です。そのため、使い方、実際に使用しているお客様の声などを織り交ぜながら、お客様の気持ちに寄りそったメールに仕上げています。
商品を使っても、変化の表れ方はさまざまなため、自分には合わないのかもと感じてしまうようなタイミングに、適切な情報を送れるよう、常にお客様像をイメージしています。そのため、質の高いメールに仕上がっていることもあり、高い定期継続率に繋がっています。
ステップメールは費用面、手間などから考えても積極的に取り入れて行きたい施策の1つです。今までステップメールを実施していたけど思うような効果が見えなかったという場合は、目的が不明確であったり、お客様像のイメージが曖昧であったりして、適切なタイミングに、適切な情報が届けられていなかっただけの可能性もあります。
目的を明確にし、お客様像を想像したメール作りと改善を繰り返し行い、定着した取り組みにできるよう心掛けてみてはいかがでしょうか?