第72回 自社の強みを伸ばす!

【週刊粧業2019年10月7日号6面にて掲載】

 大量生産、大量消費のようにたくさん物をつくって安く売るという時代から、価値のあるものには、高くても買うという消費行動が広がり見せています。

 このような時代だからこそ、効率を重視した画一的なモノづくり、売り方よりも自社の強みを伸ばし他社にはない価値訴求をしていくことが重要になってきています。

 通販会社A社は、異業種から化粧品通販事業をスタートさせました。もともと保険の代理店をしているため電話での営業が強く、通販事業参入時にもこの強みを活かすこととしました。オペレーターはお客様に電話をし、お客様の悩みに耳を傾け、その解決方法と商品の説明を行っていきます。普段からお客様との会話に慣れていることもあり、自然な会話を通して、お客様に納得していただいたうえで商品販売へと結び付けることに成功しています。

 化粧品通販会社B社は、本社に化粧品工場を持っているという強みを最大限に発揮しています。自社工場があることで、こだわりのある商品開発をスムーズに行えることはもちろんのこと、ノベルティとして活用できる非売品の開発をも可能としています。

 さらに、工場見学や夏休み、ハロウィン、クリスマスといった季節毎のイベントを開催し、お客様に工場に来てもらい関係性の強化を実現しています。このように工場をお客様との出会いの場、関係づくりの場として活用している通販企業は少ないこともあり、大きな強みとなっています。

 通販会社C社は、通販事業に参入する際、外部のOEM会社を頼らずに、食品メーカーとしての研究、開発力を強みに健康茶の開発を行いました。素材のもつ栄養価、美味しさを引き出すために試行錯誤を繰り返しながら焙煎技術を磨き、ついにスッキリとした風味、豊かな味わいの健康茶をつくり出すことができました。

 さらに、こだわったのは、素材を仕入れるのではなく、自社で育てて生産をすることで、生産から製造、販売まで一貫した体制づくりをすることです。素材を活かしながらも、美味しさを実現するという強いこだわりが強みとして発揮され、多くのお客様から好評をいただいています。

 競争が激化する中、独自性を発揮していくことの重要性は高まるばかりで、自社ならではの強みを磨き、伸ばしていくことが必要になってきています。改めて自社の強みとは何か?を振り返り、その強みを活かせているかを確認してみてはいかがでしょうか?
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船生千紗子

(株)通販総研 化粧品専門コンサルタント

通販に特化した広告代理店を経て、株式会社通販総研に入社。現在、化粧品通販新規参入支援、化粧品通販企業向けに新規顧客獲得、リピート顧客育成による売上アップ支援を行っています。クライアントの強みを伸ばし、着実な成長を促すことをモットーにしています。

https://www.tsuhan-soken.com/

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