【週刊粧業2015年7月20日号4面にて掲載】
現在、国内の化粧品市場は少子高齢化により化粧品人口が減少傾向にあり、中長期的には国内市場の減少が進むとみられているため、経済成長を続ける中国をはじめとしたASEAN諸国など、人口増加が続く購買意欲の旺盛な市場の開拓を強化する化粧品ブランドメーカーが増加しています。もとより、アジア諸国における日本の化粧品に対するブランドイメージは高く、化粧品ブランドメーカーの生産の受け皿となる受託メーカーも、現地ブランドメーカーや欧米系や日系ブランドメーカー向けの半製品、完成品の受託案件獲得に注力しています。受託メーカーのアジア需要を確保する戦略は2つに分けることができます。
【生産拠点を設置するローカライズ戦略】
一つ目は対外直接投資等によって生産拠点を設置して現地需要を確保するローカライズ戦略です。この戦略には大きな投資が発生しますので、ある程度の企業規模が必要な戦略であるといえます。
現在、アサヌマコーポレーション(中国上海市)、コスモビューティー(ベトナム、中国江蘇省)、トキワ(中国江蘇省)、日本コルマー(中国江蘇省)、ホシケミカルズ(インドネシア)、三菱鉛筆(中国広東省)、東色ピグメント(中国上海市、中国北京市)、ミロット(タイ)、エフシー中央薬理研究所(タイ)、ピカソ美化学研究所(タイ、中国上海市)、近代化学(スリランカ)、ケミコスクリエイションズ(韓国、中国)、アリエ(フィリピン)などが海外で生産拠点を設置、海外での需要確保に注力しています。
業界首位の日本コルマーは「グローバルNo.1」の受託メーカーとなるべく海外事業を早くから進めており、中国以外にも韓国に関連会社を有していますが、現在は、ASEAN地域に新工場を建設すべく調査を進めています。