第18回 訪日外国人の消費動向

【週刊粧業2015年10月5日号4面にて掲載】

 国内化粧品市場では、2014年10月から外国旅行者向けの消費税免税制度が変更されて化粧品が免税対応になったことに加え、折からの円安も追い風となり、訪日外国人観光客によるインバウンド消費が活況を呈しています。今回は、訪日外国人客数の推移とインバウンド消費額の状況についてご紹介したいと思います。

■2014年の訪日外国人客数とインバウンド消費額

 日本政府観光局が発表した2014年の訪日外国人客数は1341万3600人(推計)で前年比29.4%増加し、2年連続で最高を更新しました。このうちアジア地域からの旅行者は1061万人と全体の79%を占めました。中でも東アジアが892万人で66.5%に達します。国・地域別では、1位が台湾の282万人、2位が韓国の275万人、3位が中国の240万人、4位が香港の92万人、5位が米国の89万人となっています。2014年に訪日外国人が日本滞在中に使った旅行消費額も2兆305億円と前年比43.3%増加しました。

 支出内訳は、買い物代が7000億円超と全体の35%程度を占め、外国人観光客1人当たりのインバウンド消費額(平均支出額)は約15万円になります。

 国・地域別に見ると、中国人旅行者が5583億円と全体の27.5%を占め、次いで台湾が3544億円(全体の17.5%)、韓国が2090億円(10.3%)と、東アジアの近隣国・地域からの旅行者の消費額が多いのが特徴です。

 訪日外国人旅行者が急増する背景には、ビザ発給要件の大幅緩和、消費税免税制度の拡充、アジア地域の経済成長に伴う海外旅行需要の拡大、円安進行による訪日旅行の割安感の浸透など、複数の要因が重なったことにあると思います。


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浅井潤司

(株)矢野経済研究所主席研究員

2000年に矢野経済研究所に入社後、主にビューティー・リラクゼーション業界の市場調査、分析業務を担当。また、調査・分析業務だけでなく、中国市場進出支援、販路開拓支援、新規事業支援、地域振興・産業振興支援などのコンサルティング業務も手がけている。

http://www.yano.co.jp/asean_india/index.php

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