第21回 美容サービス業のインバウンド戦略

【週刊粧業2016年2月8日号4面にて掲載】

 日本政府観光局によると2015年の訪日外客数は前年比47.1%増の1973万7千人となり、日本政府観光局が調査を開始した1964年以降、最大の伸び率となりました。過去最高であった2014年の1341万3千人を600万人余り上回り、1970年以来45年ぶりに訪日外客数が出国日本人数を上回りました。

 主な要因は、クルーズ船の寄港増加、航空路線の拡大、燃油サーチャージの値下がりによる航空運賃の低下に加え、これまでの継続的な訪日旅行プロモーションによる訪日旅行需要の拡大、ビザの大幅緩和、消費税免税制度の拡充等も増加を後押ししたといわれています。

 国別で見ると、中国、韓国、台湾、香港、タイなどのアジアが中心となっており、日本の化粧品業界では、主にアジアからの訪日観光客のインバウンド需要を獲得すべく、様々な施策を行っておりますが、ここに来て、美容サービス業界において、大手企業を中心にインバウンド需要を取り込もうとする動きが活発化しています。

事例①:ミス・パリ・グループ

 「ダンディハウス」「ミス・パリ」などのブランドでエステティックサロンを運営するミス・パリ・グループは、2015年11月、日本発の『和のエステ』として銀座にある本社の5階に「WASPA」を立ち上げています。

 和を意識したインテリアや和精油を使った空間づくりを行い、京都の醍醐寺で健康長寿の祈祷を受けた「青竹セラピー」や富士山の溶岩石を使った「富士山ホットストーンセラピー」など和を意識したメニューを展開、ウエルカムドリンクには抹茶と季節の貸しを提供しています。同社では、インバウンド需要の確保とともに、今後は香港、台湾、上海、シンガポールにある店舗での提供も視野に入れています。

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浅井潤司

(株)矢野経済研究所主席研究員

2000年に矢野経済研究所に入社後、主にビューティー・リラクゼーション業界の市場調査、分析業務を担当。また、調査・分析業務だけでなく、中国市場進出支援、販路開拓支援、新規事業支援、地域振興・産業振興支援などのコンサルティング業務も手がけている。

http://www.yano.co.jp/asean_india/index.php

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