【週刊粧業2020年2月3日号4面にて掲載】
EC・通販における梱包はお店で言う、来店時の接客と同じことです。そのため、梱包が丁寧であるか否かはその企業のお客様に対する姿勢やブランドとしての価値観を表現していると言っても過言ではありません。また、その行為一つが他社との差別化にも繋がっていくため、接客という観点から梱包を捉えることが大切です。
A社は、『買って良かった』とお客様に思ってもらいたいという想いを根底に、梱包を行います。大切な商品を一つ一つ丁寧にプチプチで包み、お客様一人一人に手書きのメッセージカードを添えています。
このような取り組みを通じて、彼女たちの想いがお客様に伝わっているようで、『丁寧に梱包されていて、商品への愛情が感じられ、自分も大切にされているという印象を受けた』というようなお声をいただくほどです。
B社は、お客様に商品を送る際に、未購入商品のサンプルパウチを同梱します。その際には、可愛らしい花柄のPP袋にリボンをし、簡単なメッセージを添えます。お客様に『もし、よろしければどうぞ使ってみて下さい』という想いを表現しています。
もちろん、使ってもらうことで、クロスセルに繋げたいという目的をもっていますが、いかにしてお客様に気持ちよくその商品を使っていただけるかまでを考え、手間暇を惜しみません。
また、ある企業では、箱を閉じるテープの角を折り曲げ、お客様が剥がしやすいような工夫をしています。一見するとちょっとしたことですが、お客様の存在をしっかりと捉え、その企業のまごころが伝わってきます。
よく、打合せ時に同梱物が多いと読まないのではないか、コストをかける意味があるのかという意見が飛び交うことがあります。確かに、不要に多い同梱物や、お客様の知りたいことではなく、自分たちが言いたいことだけを集めた同梱物では読んでもらうことは難しいかもしれません。
一方、全く何も同梱されていなければ、その企業のお客様として認識をされていないのか? 軽んじられているのではないか? とさえ感じさせてしまいます。
お客様が知りたいことは何かをベースに伝えるべき内容を明確にし読みたいと思ってもらえる工夫も必要です。
ある企業は、箱を開くと、とても可愛らしい緩衝材で商品を保護しさらに可愛らしいリーフレットが同梱されており、お客様をワクワクした気持ちへと導き、ついつい手に取って読みたくなるよう工夫をしています。
EC・通販企業にとって梱包も接客の一部です。お客様に対する姿勢が表現された梱包になっているか、今一度振り返ってみてはいかがでしょうか?