【週刊粧業2016年5月30日号4面にて掲載】
先日、20~30代女性を中心に美容に関するグループインタビューを行いました。比較的美容に関心があり、かつ日頃から情報収集感度の高い女性達を集めましたので、座談会は美容知識や情報の交換会と化し、大盛り上がり。
座談会中もスマホ片手に、会場のカフェの内観や目の前のパスタやスイーツを撮影してその場でインスタグラムに投稿したり、会話中の用語をツイッターでつぶやいたりと。こういったカジュアル形式の座談会だと、なかなかリアルな今ドキ女子のライフスタイルが垣間見られます。
座談会の参加者全員が美容やグルメなどプライベートの情報収集はインスタ、ツイッターなどのSNSでほぼ網羅しており、知りたいことを自分で「検索」するのではなく、フォローされている人に聞いてしまう。
これが1番早く信用のおける情報を収集できる手段だそうです。もちろん、キュレーションサイト等も参考にしているようですが、SNS仲間とのシェアで知ることも多いようです。
要は、調べる際の第一アクションは、SNSであり「ググる」行為はその先か、ほとんどしないという人までいるようです。特に、コスメや美容、グルメといった体感しないとわからないものは信頼できる第三者の「体験談」が判断基準として非常に価値があり、故に「口コミ」は今も昔も有益な情報収集経路といえるのでしょう。
それでいて、口コミでは懸念される「仕込み」「やらせ」の類には非常に敏感なので、結果的に自分と価値観が合いかつ信頼できるネットワーク=SNSが現時点の有力な情報源となっているというわけです。
また、SNSの中でも即効的に情報や回答が知りたい時はツイッターに限る、詳しい情報を知りたい時はブログ、写真などのビジュアルに影響されやすいのはインスタグラム、といった具合に使い分けている人も少なくありません。
そして、何よりも重要なのは、こうした情報収集の行為は彼女らにとって自分の感性に合い関心ある情報に効率的にたどり着ける、あくまでも「手段」であって、「目的」すなわちゴールではないということです。
「ゴール」はやはり自分の価値観に合うブランドとの『リアル』な出会いであり体感の場です。さらに重要なのは、シビアな消費者のこと、量的な拡散のみではなく、その「場」が魅力的であるか否か? といった質的な満足度を満たすことも同時に不可欠な要素です。
その場に実際に居た自分にしか得られない情報や体験が充実感となり、発信してフォロー数が伸びたり、共感を得る事で自己承認欲求が満たされる。そしてさらなるネットワークができていくという循環が美活女子たちのSNSを発展させているのでしょう。