第22回 「自分が主役」観がもたらすオトナ女性の美活事情

【週刊粧業2016年6月27日号12面にて掲載】

 今回はいわゆる「大人世代」と呼ばれる40代後半以上の情報とのタッチポイントついて触れたいと思います。

 この「大人世代」の方々に座談会にお越しいただくと、皆さん見た目が実年齢よりも若々しく華やかな方が多く、ハリある毎日を過ごし、内外ともにケアや情報収集に余念がありません。

 この「大人世代」と20・30代とで大きく異なるのが情報収集法です。大人世代のスマホ使用率も徐々に高まってはいるものの、LINE、メール、通話、写真撮影等がスマホの主な用途で20~30代のようにSNSやアプリの活用派はまだ少数のようです。

 やはり、重要視している情報源はリアルな人脈による「口コミ」が多数派です。この年代は「雑誌」世代でもあるので、信頼のおける紙媒体やネットメディアを参考にするのも特徴です。

 20~30代も信頼できるSNSのフォロワーが有力な情報収集元となっているので、情報の接点ツールが異なるだけで「信頼性ある口コミ」を重要視する心理は世代や時代が違えど、普遍的なものと断言できそうです。

 大人世代が重きを置くこの「信頼できるリアルな人脈」ですが、調査や取材を進めてみると、昔からの友人が口コミ経路という人も勿論多いですが、特に美容感度の高い人ほど、新たな人脈交流を磨くことに積極的で、他者と影響を与え合う傾向にあることがわかってきました。

 また、その人脈も同世代に限らず、自分たちより若い年代と関わりあうなど、「世代間美活交流」は盛んな様子です。たとえば、「ランニングサークル」に参加する、ジムで知り合った仲間と「美活部」なる集まりで美容の情報交換をするなど新しい世界で美活仲間を持つ大人女性も増えています。

 この仲間との交流時間はすべて「自分」のための時間となるため「子育て・教育」の最中にいる人も多い40代前半は、時間的にも金銭的にも自分への投資や消費は当然少なくなりがちです。

 したがって、「子育て・教育」に目途が立つ頃が一つのターニングポイントとなり、比較的その層が多い50代がその分岐点となっているのでしょう。

 実際に、座談会でも「子供も大学生で来年就職も決まり、今後は自分のことを考えていく時間にしたい」(52歳・専業主婦)というコメントや共感の意見が目立ちました。

 独身者となるとまた違った見解になりますが、子育てを経験した方々からは、特に感じられるのが「これからは自分が主役」という意識です。だからこそ、やり残したことや新たな挑戦など、自分のために時間を使いたいと考えるのです。

 彼女らが口にする「自立」「再出発」は今後の大人女性マーケティングに欠かせない要素といえるでしょう。
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松下令子

美容専門PR・販促支援会社 (株)DSプロモーション 代表取締役

「顧客と一緒に汗を流す」をモットーにPR・販促事業を展開。 医療機関テスター設置活動など独自の販促支援事業が好評。 「当連載では、私たちが業務を通じて得た“今日から試せる”  PR・販促施策のヒントをあらゆる角度から提案します」

http://www.ds-p.net/

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