第25回 現代女性たちのSNS活用事情②

【週刊粧業2016年10月3日号13面にて掲載】

 現在、20~30代を中心にじわじわと「口コミ」の主役を担う勢いになりつつあるツールの1つにインスタグラムがあります。弊社がこの秋に新たに立ち上げる美容関心層ユーザーを集めたプラットフォーム「コスメラウンジ」(※プロフィール欄参照)も現にインスタグラム利用者が約9割を占める状態です。

 インスタグラマー等のデジタルインフルエンサーすなわち一般の消費者を新製品発表会の場に招待するのは今や定番となりつつありますが、「拡散」という量的な側面には満足しても「投稿の中身」といった質的なものには今ひとつ満足しきれていない企業の担当者も少なからずいるのではないでしょうか。

 インスタは写真や動画投稿を目的としたツールなので、自社ブランドの魅力がテキストなどで最大限表現されない事に戸惑いを覚えても無理はありません。だからこそ、最近ではブロガーを見直すブランドもあります。ブログは、文章力や表現力がある程度必要になり、十分な情報量を掲載できるので、読み手への印象や説得力も変わってくるからです。

 フォロワー数がかなり多い弊社会員メンバーも「華やかなビジュアルを素早くアップするなどインスタは即効性とインパクト重視。詳しい使用感想などはブログを見てもらうようにして、使い分けている」(33歳・会社員)と断言しています。こういった見る側のことを考えた意識の高いインフルエンサーもいますが、ユーザー全員が同様にできるわけでもありません。

 個人の投稿の質を飛躍的に高めずとも、有効な投稿内容にする手段の1つとして、私は「動画」があると思います。もちろん今でもスマホで体感会の模様を消費者自身で撮影した動画を投稿しているのも度々見かけられますが、やはりクオリティー等諸問題は免れません。

 ですので、インスタで簡単に気軽にアップできる尺で高品質に編集されたものをブランド側が用意するのも一案かと思います。

 インスタグラマーは、常にビジュアルの洗練度へのこだわりが強いので、完成度の高い動画は投稿や拡散意欲が高まるといえます。

 これまでは、媒体PRによる美容編集者や美容ライターなどプロの審美眼と洗練された文章やビジュアルがブランドの魅力を底支えしていたといっても過言ではないでしょう。

 今や消費者の「拡散」は、現代の美容PRにおいてはずせない「メディア」です。一個人の投稿にも「量」だけでなく「質」が求められている時代です。気軽だからこそ数値的に広まったインスタなどのツールを上手に活用しながらも、質を高める施策に取り組めるか否か。拡散のリーチ数などの効果測定と同時に、質へのテコ入れは必須施策といえるでしょう。
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松下令子

美容専門PR・販促支援会社 (株)DSプロモーション 代表取締役

「顧客と一緒に汗を流す」をモットーにPR・販促事業を展開。 医療機関テスター設置活動など独自の販促支援事業が好評。 「当連載では、私たちが業務を通じて得た“今日から試せる”  PR・販促施策のヒントをあらゆる角度から提案します」

http://www.ds-p.net/

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