【週刊粧業2016年11月28日号12面にて掲載】
この11月に弊社では、「コスメラウンジ」という美容関心層に向けた会員制美活サイトを正式にオープンしました。現在、新規会員が続々加入してくださっていますが、ラグジュアリーブランドを中心に紹介していることもあり、40代、50代の会員の方も多いです。
象徴的なのは、ほぼ全員がインスタグラムを活用していること。1年前の弊社の調査では、40~50代のインスタグラムを活用する人の割合はかなり低く、50代全体では1割にも満たなかったと思います。
しかし、ここ1年で急速にインスタが浸透し、なおかつ弊社の会員は、美容関心層ということもあってか、インスタグラムの活用率は高いようです。
インスタの醍醐味は「写真」「動画」ですが、投稿材料が「特別な体験」であればあるほど、拡散意欲は高まるものです。会員の方々は、サイトで募集したイベントに参加するだけでなく、さらにはその「特別な体験」を知人に共有したい、拡散したいという意識が強い人が多く、「SNS活動」に旺盛な層ともいえます。
さらには、メディアで顔を露出されるのも敬遠しない、むしろ紹介してもらいたい、と撮影に快諾したり積極的な方が大多数を占めるのも特徴的です。
このように、スマホ、ソーシャルメディアの普及とともに、いつでも手軽に投稿・拡散できる利便性を得た現代女性たちが、自己を顕示したり、承認欲求が満たされるツールとしてSNSを活用している状況がここにも見られます。
したがって、「影響を与える」というインフルエンサーの概念が以前は、読者モデル、パワーブロガーといったオピニオンリーダー的な限られた層を指していたのが、現在は、より一般的な層に広がり、そして曖昧になりつつあるのではないかと思います。
自分が気に入ったものやサービスには、見合った金額であれば支払う、といういわゆる「プレミアム消費」の消費者層は年々増えてきている傾向です。
この「プレミアム消費」対象でもある高価格帯のコスメは、具体的なカウンセリングと同様に、やはりフィロソフィーやストーリーを伝えていく場が大切で、それを直接ユーザーに伝え、彼らが伝播していく仕組みも重要になってきています。
既に、大手企業を中心にこの潮流を捉え、「リアル」と「SNS」をつなげる施策を講じているところもありますが、まだそこまで至っていない、もしくは必要性を感じていない企業も多く、まちまちのようです。
とはいえ、SNSを活用したバズマーケティングを無視できない時代です。SNSユーザーは今のところ20代、30代の若年層が主流ではあるものの、今後増えていく大人世代も重要な伝播力として見据え、日々、有効な手段を考えていきたいものです。