第39回 日本の化粧品輸出入金額②~金額こそ小さいもののASEAN諸国の需要が急拡大~

【週刊粧業2017年8月7日号11面にて掲載】

アジア新興国における主な輸出先国別輸出金額(2012~16年)

 2012年から2016年の財務省貿易統計によるアジア新興国における主な輸出先国別輸出金額は以下の通りです。

 16年輸出国別輸出金額は、香港(86602百万円)が最も多く、中華人民共和国(55868百万円)、台湾(36289百万円)、大韓民国(35151百万円)、シンガポール(17973百万円)が続いており、東アジアの国や地域が上位を占めていることがわかります。

アジア新興国における主な輸出先国別輸出金額伸張率(12年~16年)

 一方、12年から16年の財務省貿易統計によるアジア新興国における主な輸出先国別輸出金額伸張率は以下の通りです。

 12年から16年の伸張率は、インドネシア(622.8%)が最も高く、ベトナム(507.1%)、香港(398.4%)、フィリピン(318.7%)、中華人民共和国(272.8%)が続いています。伸張率でみると、輸出金額では上位に入っていないインドネシア、ベトナム、フィリピンが上位に食い込んでいるのがわかります。

おわりに
 
 財務省の貿易統計を分析すると、これまで5年間の日本化粧品輸出金額の伸びは香港、中華人民共和国、台湾、大韓民国の4カ国・地域の需要によって支えられて来ましたが、その陰で、金額こそ小さいもののインドネシア、ベトナム、フィリピンといったASEAN諸国の需要が急成長していることがわかりました。

 今後の日本の化粧品産業は、中華人民共和国、台湾、大韓民国といった東アジアの需要を確保しつつ、インドネシア、ベトナム、フィリピンといったASEAN諸国の需要を顕在化させて輸出額を拡大すべく、ASEAN諸国における日本製化粧品の更なるブランド力向上へ向けた施策を戦略的に実行していく必要があると思います。
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浅井潤司

(株)矢野経済研究所主席研究員

2000年に矢野経済研究所に入社後、主にビューティー・リラクゼーション業界の市場調査、分析業務を担当。また、調査・分析業務だけでなく、中国市場進出支援、販路開拓支援、新規事業支援、地域振興・産業振興支援などのコンサルティング業務も手がけている。

http://www.yano.co.jp/asean_india/index.php

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