【週刊粧業2017年12月4日号4面にて掲載】
インドネシアでは、2014年10月「ハラール製品の保証に関する法律第33号」の法案が国家で承認され、大統領が署名しました。(法の施行は2019 年予定)
これにより、これまでイスラム社会におけるルールに留まっていたハラール認証制度が、インドネシアでは、国家管理による強制力を持つものとなり、非イスラム諸国の多くの企業にとって、ハラール認証の取得は無視できない存在になりました。
インドネシア政府は「ハラール製品の保証管理は政府が責任を持ち、宗教大臣がこれを遂行し、大臣の下部組織としてハラール製品保証実施庁を設け、当局が実施し責任を持つ」としています。
これに対して、インドネシア飲食業者協会やインドネシア化粧品協会は「ハラールとは認証制度であり義務ではなく、ハラール認証の取得を強制することや、ハラール認証がないことによりインドネシア国内の流通が認められないということはあってはならない」というコメントを出すなど、混乱を極めている状態です。
これらのことからハラール製品の保証に関する法律第33号の施行への動きは停滞しておりましたが、2017年1月、インドネシア政府はようやくハラール製品保証庁を設立し、2017年10月に業務を開始しました。
ハラール製品保証庁は、ハラール認証の取得義務などについて定めたハラール製品保証法で設立が決まった機関で、これまで独立機関のイスラム指導者評議会が保有していたハラール認証の交付権限を移管します。
ハラール製品保証庁では、ハラール製品保証法に基づき、2019年までに食品、飲料、医薬品、化粧品などを対象にハラール認証の取得を順次義務付けていく方針であるとしており、具体的な開始時期は明らかになっていませんが、当初は食品分野、その後は医薬品と化粧品で認証取得を義務付けていくとしています。
当初の計画では、2017年に食品、2018年に化粧品、2019年に医薬品の認証取得をそれぞれ義務付ける方針でしたが、施行規則の作成が遅れて計画見直しが必要となっています。また、産業界からは今後も引き続き意見の聴取を行っていく意向も示していることから、今後の動向には注意が必要だと思います。