【週刊粧業2021年5月24日号12面にて掲載】
コスメブランドがTwitterを使って成果を出すには、クチコミ=UGC(User Generated Content)の活用が鍵となる。Twitterの利点は、UGCが出やすく、活用もしやすい点にある。認知獲得や購買意欲の醸成につなげるSNSとして優秀だ。
Twitterを正しく活用するには、どのようなユーザーがリツイートをしてくれるのか、UGCを生むのかを分析することが先決である。
その後、Twitterの広告機能を用いて自社アカウントと相性が良いフォロワーを集めるべきだ。この時集まったフォロワーは、UGC活用施策の重要な基盤となる。
彼らがいることでアカウントの基盤が固まり、施策が活きてくるため、最初のフォロワー集めは必須となる。
アカウントの基盤作りと同時並行で、次に挙げるような投稿にも挑戦してほしい。
①ハウツー投稿
お手入れ方法や他のアイテムと組み合わせたメークの写真など、商品の具体的な使用イメージが湧く投稿は、ユーザーに響きやすい。
イメージ訴求を重視する余り、ハウツーに関する投稿を行なうコスメアカウントは少ないからこそ、積極的な取り組みを勧める。自社商品を購入した人が作ったハウツー投稿をリツイートしたり、紹介する手もある。
②社会文脈に沿った投稿
社会的な文脈に対し、ユーザーの関心が高そうなテーマを投稿するのも有効である。
直近の例でいえば、マスクの需要に伴ったマスクメークが挙げられる。マスクに合ったアイメークやマスクケアへのニーズが増えたように、その時々の社会文脈に合わせた投稿は、高いエンゲージメントや新たなUGCの創出につながる。
③ハッシュタグ企画
新規ファン層の開拓に向くのが、最大母数を拾えるハッシュタグや投稿の公募といった企画だ。例えば「#コスメあるある」など、自社商品を購入せずとも大勢のユーザーが参加できるハッシュタグ設計が挙げられる。
「いかにユーザーを巻き込み、UGCを醸成できるか」という観点に立つことが、成功のコツだ。
④PGCキャンペーン
UGC数は、限界を迎えることがある。その際は、プロが作成したコンテンツである「PGC(Professional Generated Content)」を使ったキャンペーンを勧めたい。
PGCは、クリエイターや代理店に依頼し、テキストや動画、マンガなどのコンテンツを元にUGCを創出する施策である。新商品の発売時はもちろん、再度話題化させたい既存商品のPRにも適している。
TwitterでUGCを活用した施策には、根気も必要だ。一朝一夕では成果は出ないが、腰を据えて取り組んだ結果、1年で約9倍もUGCを伸ばし、売上増加につなげた企業もある。
中長期的な目線で頑張れば成果を出せるマーケティング手法として、コスメブランドにも参考にしていただきたい。