【週刊粧業2022年06月13日号8面にて掲載】
年々、広告の効率が悪くなり、多くの企業が以前のような効率で新規客を獲得できなくなっています。
各社、クリエイティブの改善、媒体の精査、ターゲティングの見直しなどに取り組んでいるとは思いますが、それでもなかなか改善しないときは、広告オファー価格の見直しを行うことも視野に入れていく必要があります。
もちろん、価格を下げ過ぎると、商品価値の低下や2回目購入率に影響を与えますので、やみくもにオファー価格を下げれば良いということではありません。
しかし、EC/通販ビジネスは、新規客を獲得できなければ何も始まりませんので、レス改善の一つの要素として検討材料として持っておくと良いです。
化粧品通販会社A社は、お試し品にて新規客を獲得しています。クリエイティブ内容の改善等は行っていたのですが、目標獲得単価まであと一歩及ばないといった状況でした。そこで、一度、お試し品のオファー価格を下げて広告を実施したところ、目標獲得単価を優に上回る結果となりました。
お試し品購入数が伸びたことで、定期顧客数も比例して伸びましたので、広告オファー価格を下げることは、有効策の1つであるという結論に至りました。
通販会社B社は、お試し品と定期特別価格をLP上に並べて定期のお得感を訴求する形で新規獲得をしていました。しかし、どんなに定期購入の方のお得感を訴求してもなかなか思うように新規獲得が進みませんでした。
そこで、考え方を変え、定期の特別感を見せつつもお試し品の価格を500円程度下げてみて、まずは、1度商品を試してもらう人数を増やすことを目指しました。結果、お試し品を購入者は増え、顧客獲得単価は60%改善しました。
もともと、この会社は初回同梱物、フォローDM、ステップメールの準備をしっかり行っていました。おかげで、お試し品購入から定期購入へつなげていく流れが上手く行き、結果、定期顧客数を積み上げることができました。
健康食品通販会社C社は、Web広告、紙広告などさまざまな媒体を使って、クリエイティブテストを繰り返しつつも思うように顧客獲得単価の改善が進みませんでした。
それまでは、本商品を半額オファーで実施をしていたところを、試しに980円に変更して広告を実施しました。
結果、レスポンス1.5ポイントアップするとともに、定期率は半額の時と変わらない数字を出すことができたので定期顧客数の増加につながりました。
顧客獲得単価が悪いという理由だけで、すぐに広告オファーを下げることはもちろんお勧めはしません。クリエイティブテスト、媒体の見直しなど試行錯誤行った後に、オファーの見直しに着手することで目標獲得単価を達成することができます。
数多くのクリエイティブテスト、媒体、ターゲティングの見直しをしても、なかなか改善が進まないといった時に広告オファーも改善要素の一つとして見直しを検討していくと良いでしょう。