【週刊粧業2016年7月25日号12面にて掲載】 私は化粧品コンサルタントなので、いろいろな企業の企画会議に参加しています。昨年、他社競合の話をする中で、何人かのプランナーの方が同時に名前を挙げていたのが「サボリーノ」というブランドでした。オールインワンマスクを、「朝サボりたい人」というターゲットに絞り、ベッドでゴロゴロしている時から使うということをうたった製品です。 なぜ、企画担当者がそん...
【週刊粧業2016年6月27日号14面にて掲載】 弊社は化粧品の企画・開発のコンサルティングをしています。もともと化粧品を扱っている企業様だけではなく、まったく化粧品を扱うのは初めてという、異業種参入というケースをお受けすることも少なくありません。そういった場合、初めにぶつかる壁が、化粧品業界特有の「情緒的価値を作る」という未知の考え方をご理解いただくことです。 化粧品は薬や手術ではないので...
【週刊粧業2016年5月30日号5面にて掲載】 弊社で主催している女性潮流研究所(女性トレンド分析のラボ)で、いくつか注目しているトレンドのひとつに「開運」トレンドがあります。このトレンドがビジネスとして成り立つようになったのは2009年頃と記憶しています。 当時は伊勢神宮などの神が宿るパワースポット詣でをするという本気のものでしたが、今では「開運ネイル」「開運リップ」などと気軽に言ってもお...
【週刊粧業2016年4月25日号11面にて掲載】 化粧品企画のコンサルティングをしていると、どの会社からも同時期に同じことを聞かれることが多いのが興味深い現象です。 例えば、「オイル市場はどうなの?」というのは、去年から多い質問です。日本人はベタベタするオイルはあまり好みません。だから、ニッチな通販ならまだしも、大きな市場で目立った動きをしたのは、今回が初めてではないでしょうか? 消費者研究...
【週刊粧業2016年3月28日号6面にて掲載】 無数にある美容成分の中でもヒアルロン酸やコラーゲンというのは定番成分です。やはり肌にある成分と同じというのは特別感があり、他にも同様のものがあります(セラミドやスクワラン)がやはりこの2つは別格ではないでしょうか? でも、どの製品にも当たり前に入っているので、ありがたみは無いといえば無い。ところが最近は、形を変えて静かにブーム再燃の予感がします...
【週刊粧業2016年2月29日号18面にて掲載】今回は、季節イベント対応化粧品について考えたいと思います。私は、化粧品コンサルタントとは別に、女性潮流研究所というトレンドシンクタンクの代表もしていますが、一昨年前から最近変わったなと思ったのが、女性の間で年末年始というのが消費のキーワードになっているということです。 女性市場といえば、今まではクリスマスが大きな山であり、その後、バレンタインで...
【週刊粧業2016年1月25日号12面にて掲載】 私が最近、化粧品市場で注目しているのは、「自分がキレイになれるか?」だけではなく、ギフトとしての消費です。クリスマスや誕生日、お祝いなどの特別なことがなくても、女子会の場がいつもプレゼント交換会になっているというのが昨今の現象です。2015年の年末に発売になった限定商品から、イマドキのギフトアイテムをピックアップしてみましょう。 「アピヴィー...
【週刊粧業2015年11月30日号5面にて掲載】 乾燥が気になる季節到来! 新製品も保湿コンセプトのものがわんさか発売される中、「面白いな」「新しいな」と思われるためのテクニックとしては、××の部分専用というように、部位を限定してしまうという手法があります。今回は、2015年10月に発売されたアイテムの中から、そんな部位限定コンセプトのものをご紹介したいと思います。 「ベキュア ハニー ワン...
【週刊粧業2015年10月19日号4面にて掲載】 古くから美容と健康に良いとされるオイルですが、オリーブオイル、スクワランオイル、ホホバオイルくらいが定番といった形でしたが、この5年ほどは、アルガンオイル、ココナッツオイル、亜麻仁油など、次々とスターオイルが登場しています。 特に今年は、空前のオイル美容ブームで、夏になってもオイルに関する記事が雑誌やWebで頻発し、スーパーやドラッグストアで...
【週刊粧業2015年9月21日号5面にて掲載】 本格的な秋が到来、各ブランドからはボルドーやカーキなどといった秋メークの提案が盛り上がっていますが、通年を通して大きなトピックスといえば「血色メークブーム」です。 ファッション誌の表紙で綾瀬はるかやAKBのぱるるなどのタレントが次々にトライしていた「二日酔いメーク(目の下にまでチークを入れるメーク。若い女性に人気)」は日常生活に取り入れるのはハ...
【週刊粧業2015年7月27日号6面にて掲載】 夏になると、難しい皮膚理論といった左脳的なコンセプトの商品よりも、すぐに気持ちよさがイメージできるような右脳的なコンセプトの商品が増えてきます。暑くて脳が働かなくなりますから、ヒットを狙うためには、「感覚的にこれ使いたい!」と思ってもらえることの方が重要になってくるのです。 そのいちばんのポイントは「気持ちよさをいかに想像させるか?」ということ...
【週刊粧業2015年8月31日号14面にて掲載】 コスメで夏の企画ものといえば、冷んやりスースーしたテクスチャーで、寒色系デザインのボディケアが定番でしたが、最近は違います。今回は、ライフスタイル系コスメブランドのトレンドをご紹介しましょう。 ガーリーでピンクの世界観を守り抜くあのブランドも、夏限定のボディケアラインはイエローでした。「ジルスチュアート リラックス シャワージェルG」(200...
【週刊粧業2015年6月29日号4面にて掲載】 成熟したマーケットである化粧品市場、もはや単純に「おしゃれブランドだから」「オーガニックだから」では売れません。各社、新しい付加価値コンセプトを模索しています。 オーガニック市場で見つけた次なる一手は、ロールオンタイプの制汗剤「インターナショナルコスメティックス Dr.ハウシュカ エチケットロールオン」(50 ml 2500円、5月1日発売)で...
【週刊粧業2015年5月18日号5面にて掲載】 最近、洗顔ジャンルではユニークな新製品が続々と登場しています。ユニリーバのダヴで朝の洗顔についてのCMが流れ「朝の洗顔、改めてどうしたらいいのだろう?」という気分も盛り上がっています。 最初にご紹介する「ディーアール 朝活クレンジングバーム」(80g 1800円、4月1日発売)は朝の洗顔中に潤いを補給するクレンジングバームです。寝ている間の皮脂...
【週刊粧業2015年4月27日号6面にて掲載】 しばらく続いた不景気によって、長らく化粧品市場では「キャッチコピーの上手さと価格の安さ」のプチプラ商品がヒット傾向にありました。しかし、回復傾向になった昨年から、中高価格帯ゾーンの市場が活気づいてきたように思えます。例えば、今年のクチュール系ブランドのファンデーション、続々とハイテクな機能のものが登場しています。 「パルファン・クリスチャン・デ...
【週刊粧業2015年3月30日号11面にて掲載】 弊社の女性トレンドのシンクタンク「女性潮流研究所」で行っている女性誌の見出しワード研究で、2015年になってから多くなってきたことばのひとつに「スタイルアップ」というワードがあります。最近のファッションは「普通がいい!」というトレンドで、ユニクロや無印良品を上手にコーディネートに取り入れるような流れが続いています。普通のアイテムを着ているのに...
【週刊粧業2015年2月23日号16面にて掲載】 皆さんは『ネオテニー(neoteny)』という言葉をご存知でしょうか?生物学の分野で使われる言葉で、「動物において、性的に完全に成熟した個体でありながら非生殖器官に未成熟な幼生や幼体の性質が残る現象」を意味します。早い話が「大人になっても子供の要素は持ち続ける」ということです。 動物の話ですが、「大人に子供の部分がある」というのは、人間にもあ...
【週刊粧業2015年1月26日号14面にて掲載】 週刊粧業の新年号で若いターゲットに重要なのは「エンタメ感」というお話をさせていただきました。 化粧品ブランドである限り、消費者をウキウキ・ワクワクさせることを追求したサプライズアイテムがあるというのは重要なことです。たとえここで儲けがたくさん出ることは無くてもです!今回は、そんなアイデアのヒントになるようなものをご紹介したいと思います。 1つ...
【週刊粧業2014年11月24日号13面にて掲載】 今月は「ネーミング」についてお話したいと思います。私自身、商品企画歴が約20年にもなりますが、ネーミングの作業はいちばん頭を悩ませる厄介なものであると同時にいちばん楽しい作業で、新製品が出たらネーミングを欠かさずチェックします。 最近増えているのは「直球ネーミング」です。例えば、「ミックコスモ ハリーハリー 大人のふたえメイク」(1200円...
【週刊粧業2014年10月20日号12面にて掲載】 弊社内には「女性潮流研究所」というシンクタンクがあり、女性の気分分析を専門に行っているのですが、2011年頃から発生した「すっぴん」「ヘルシー」というトレンドが、今年になって幅広い層に浸透し始めたのを強く感じています。タレントで言えば石原さとみ・井川遥・神崎恵。ふんわり柔らかくピュアな雰囲気で、男女問わず人気を集めています。 彼女たちのメー...
【週刊粧業2014年9月29日号5面にて掲載】 最近では化粧品のようなコンセプト、ネーミング、パッケージデザインの日用品が続々と登場しています。 まずは、美白スキンケアのような歯磨き「セリスティナ シロク デンタルペースト」(100g1800円、8月8日発売)。 水を付けずに磨く、天然成分使用のホワイトニング生歯磨き粉。東北大学がホワイトニング効果を証明した「光触媒アパタイト」と、通常の水よ...
【週刊粧業2014年8月25日号16面にて掲載】 美容イコール化粧品というのはもう昔のこと。最近では、あらゆるアプローチの美容アイテムが登場しています。今回は、そんな新製品をご紹介します。 ひとつめは化粧品会社のオーラルケア「ポーラ オーラルホワイトリンス」(500mL2800円、7月2日発売)です。歯磨きでは届かない部分も隅々までケアできるマウスウォッシュタイプ。コンドロイチンやヒアルロン...
【週刊粧業2014年7月28日号14面にて掲載】 高温多湿の厳しい日本の夏は、スキンケアするのも億劫になります。単なるひんやり・さっぱりだけでは、差がつきません。そのため、楽しいお手入れタイムを提供できるような商品を投入するブランドが目立ちます。 はじめにご紹介するのが、資生堂「ベネフィーク」の、環境によって変化する、うるおいバランスと肌温℃(はだおんど)に着目した、スキンケアシリーズ(5月...
【週刊粧業2014年6月30日号5面にて掲載】 近年の発明的アイテムとして、オールインワンゲルとともに肩を並べるのがBBクリーム(最近ではCCクリームも増加中)です。大流行アイテムゆえに市場には同じような商品があふれ、競争が激化しています。このような過酷な競争の中では、少しひねった商品が登場します。 「コーセー エスプリーク ひんやりタッチBBスプレーUV」(60g2100円)(2014年5...
【週刊粧業2014年5月26日号12面にて掲載】 日やけ止めシーズンが到来し、様々な効果を掲げた商品が発売されています。大気汚染対策のものが多数出ていますが、今回は変わり種を3つご紹介したいと思います。 「パラドゥ バズガードUV」(35g647円、2014年4月9日発売)は、天然ハーブの虫よけ効果をあわせ持った日やけ止めジェルです。コンビニ専用ブランドなので、レジャーの直前・途中のアウトド...
【週刊粧業2014年4月28日号12面にて掲載】 通販やドラッグなどのセルフ販売では、わかりやすいコンセプトが支持されますが、意識が高い消費者がターゲットとなる百貨店ブランドは、ヒネリのあるコンセプトが求められます。そんなヒネリコンセプトの法則に「悪いものを排除する××」というのがあります。今月はその事例をご紹介したいと思います。 パルファム ...
【週刊粧業2014年3月31日号14面にて掲載】 オールインワンゲル、BBクリーム、ノンシリコンシャンプーなど、今まで無かったカテゴリーをつくるというのが最近の化粧品業界の大きな流れです。この3つのように業界に旋風を巻き起こすビッグトレンドになるのは容易なことではありませんが、新カテゴリーの商品は毎月のように発売されています。今回は2014年2月に発売された商品からそ...
【週刊粧業2014年2月24日号15面にて掲載】 さて今回は、その季節ならではの消費者のニーズに合わせた、かゆいところに手が届くアイテムに注目をしてみましょう。 寒い時期にニーズが高まるアイテム№1といえばハンドケアですが、「シャンティ デュカートハンドケアグローブ(スマホ対応)」(27g1200円、12月24日発売)は、スマホしながらできるハ...
【週刊粧業2014年1月27日号12面にて掲載】 ハーフ顔、すっぴん風薄盛りメークなど、2013年からガラリと顔トレンドが変化しています。そんな『新しい顔』トレンドに対応したアイテムが2013年末に続々と登場しているので、ご紹介したいと思います。 ひとつ目は太眉メーク。あのオシャレ番長の篠田麻里子も太眉チェンジで印象がガラリと変わり、年明けのネ...
【週刊粧業2013年11月25日号14面にて掲載】 新製品からヒットの法則を学ぶというこの連載。今回は、2013年9月~10月発売の商品を取り上げます。 秋冬シーズンは、社運をかけたアンチエイジングスキンケアが投入される時期で、最先端科学に着目した高価格アイテムが続々と登場します。2012年に続き、2013年も「幹細胞」に着目したものが流行して...
廣瀬知砂子
女性潮流研究所 所長 / 商品企画コンサルタント
実践をモットーとする化粧品コンサルタント
現場発想で生み出した独自の商品企画法やトレンド分析法で、大企業から中小企業まで多くのヒット商品を手がけている。
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