2012年05月21日発行
シェア35%(同社調べ、2011年見込みベース)で除湿剤マーケットにおける僅差の最上位を堅持しているエステー(本社=東京)によると、2012年の市場規模見通しは95億円で前年に対し1%増とほぼ横ばい推移が予想されている。ことさら触れるまでもなく除湿剤に見る最大の実需期は6月の梅雨シーズンで、前年との対比を考えた場合に2011年は東日本大震災が引き起こした消費と供給の混乱が生々しい時期だったことから、今季は整然とした売場と環境で平常な数字を取りたいとする声が前線から聞こえている。愛用者と生産者、そこへ小売店と中間流通業を加えた4者が適正な利益をシェアできる商材でなければ、健全な流通製品とはいいづらい。早晩、行き過ぎた安売り合戦は是正されるべきだといえそうだ。通年で売れ行きが一定しているタイプの日用品とはことなり、除湿剤は小売の店頭でスペース変動型のシーズン対応売場で展開されるケースが主流といえる。その点を考えた場合、2010年から幅を利かせている猛暑対策商品の集積型売場が、今季は除湿剤の行く手を阻む意外な抵抗因子になるのかもしれない。
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