【総論】シワ改善や敏感肌などの有効性評価が注目

2017年は、大手化粧品メーカーから「シワ改善」を標榜した医薬部外品が発売され、情緒性から機能性を重視する消費者の動向もあり、化粧品・医薬部外品の効果効能を可視化する「有効性評価試験」が改めて注目を集めている。
有効性評価試験のトレンドとしては現在、化粧品の「乾燥による小ジワを目立たなくする」効果を確認する抗シワ評価試験へのニーズが依然として高いものの、最近では「皮膚計測に角層解析を加えて皮膚の内部で起きている反応を評価することで、表面に見える効果の裏側にある作用メカニズムまで踏み込んで検討したいといった依頼も増えている」(関係者)という。
東洋ビューティ

化粧品・医薬部外品OEM/ODM大手の東洋ビューティは、機能性訴求の高付加価値なモノづくりの推進に向け、2003年より品質(安定性)はもとより、安全性・機能性(有用性)など総合的な製品評価を行う部署(現 基盤研究室)を立ち上げ、開発製品の付加価値向上につなげている。
今後は、セブンオーワンリサーチとのシナジーを生み出し技術力の向上につなげていきつつ、外部機関による客観的なデータの重要性も増していることから、「評価試験を専門に行う企業との協力関係強化と関連団体との密な連携を進める」という。
マツモト交商
原料商社大手のマツモト交商では、国内外の受託試験会社と連携し、ヒト安全性試験、医薬部外品・新添加物申請用試験、化粧品・食品の有用性評価試験、in vitro試験等の試験受託サービスを行っている。
「スケジュールやコスト、必要な試験内容等のニーズを営業が引き出し、試験コーディネーターが試験資料調整、試験進捗管理等を行っている。ヒト安全性試験の中では、特にアレルギーテスト(RIPT)の依頼が増えている」(逸見敬弘安全性試験部部長)
日本食品衛生協会

公益社団法人 日本食品衛生協会 食品衛生研究所は、厚生労働大臣登録検査機関(食品衛生法・薬機法に基づく登録検査機関)として、食品だけでなく化粧品や医薬品、衛生材料などに関する微生物・理化学試験を実施している。
化粧品の試験検査では、微生物・理化学試験業務に従事する人の検査技術・知識の向上を目的に、国立医薬品食品衛生研究所出身の教授をはじめ第一線で活躍する講師陣を招くなど、座学と実習を織り交ぜて行う「実習研修」に強みを持つ。
DRC

化粧品・健康食品の評価試験を一括受託できる設備・体制が整うDRCは、2016年に試験施設を東京にもオープンし、国内3拠点(大阪・東京・札幌)に評価センターを拡げ対応している。
高野憲一社長は、従来の試験一括受託サービスに加え、「依頼者の研究員が試験に参画して測定を行い、被験者管理とデータ解析などを当社が部分的に受託することもできる」とセンターの特徴を話す。