2016年(1~12月)のヘアカラー市場(化粧品含む)は、おしゃれ染め(黒髪用)のダウントレンドに加え、市場構成比で7割以上を占める女性・白髪用が近年のヘアサロンにおけるカラーリング料金の下降トレンドも影響して前年を割り込み、前年比2%減で約690億円となった。唯一、男性・白髪用カテゴリーが微増で推移した。
ホーユーは、ちらほら白髪が気になりはじめる30代~40代前半の女性をターゲットに展開するヘアカラーブランド「シエロ」から、9年ぶりとなる新シリーズ「同デザイニングカラー」(医薬部外品、全11色)を2017年9月より発売し、イメージキャラクターに山田優を起用したTVCMなどでプロモーションを展開してヘアカラー市場の活性化を図る。
花王は、女性・白髪染めブランド「ブローネ」から、マスカラタイプの一時染め「ブローネ ヘアマスカラ」(全4色、各12mL)を2017年9月に発売し、外出前などで気になる白髪をその場でキレイにカバーする習慣化を促し、市場活性化を図る。
ダリヤは、白髪が気になり始めた女性向けのヘアカラーブランドとして2016年秋より展開をスタートした「クレオディーテ」から、新シリーズとなる「ヘアカラークリーム」(医薬部外品、全10色、1剤50g・2剤50g)を2017年9月に発売した。
マンダムの「ギャツビー」が展開するヘアカラーシリーズ(ナチュラルブリーチカラー、EXハイブリーチ、ターンカラー)は、男性・黒髪用ヘアカラー市場でシェア8割以上をキープしている。
カネボウ化粧品は2017年7月に「リクイールエッセンスグローカラー」(全10色、各1800円)を発売、ヘアカラーカウンセリングで肌の色を魅力的に見せる髪色を提案している。
製販一環の立ち位置から化粧品と健康食品を展開している山田養蜂場は2016年10月から、リピート顧客の要望に応える格好で企画した「ヘアカラートリートメント」(全3色、各210g3000円)を発売し、初年度は地に足をつけた販売姿勢で認知度の向上を徹底したようで、まだ十分な愛用者が獲得できている様子に触れることはできなかった。
矢野経済研究所の発表によると、2016年度のヘアケア市場規模は、前年比100.6%の4408億円で、伸長率はほぼ横ばいとなっている。また、企業の調査によれは、2017年上期のSCIデータでは、市場規模は1%増、単価においては3%増、下期においても1%増を見込んでおり、単価が上昇傾向にある。最近はナチュラル・オーガニックから派生したボタニカルブームが市場を席巻しており、ドラッグストアチャネルにおいてはイーネの「ボタニスト」が約1割の売上シェアを占めているという。その一方で、ノンシリコンやボタニカルに続く新たなヒットを生むような付加価値がまだ登場しておらず、ヘアケア市場は活路を見出せない状態が続いている。
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