化粧品OEM・原料メーカーの研究開発体制

週刊粧業は、化粧品マーケットを下支えする重要領域としてOEM事業者と原料会社を注視する中、本特集号では、血と汗の結晶といえる商品を産み出すための研究開発体制にスポットを当てて最新の実態をあぶり出してみた。
近年はメーカーの欲求を数歩先取りできる研究開発力が受託製造と資材の事業者に求められてきた。
日本コルマー

日本コルマーは、国内4研究所・研究員150名体制でスキンケアからメークアップ、ヘア&ボディケアなど化粧品のあらゆる製品の開発を行っている。研究所・研究員数は、国内化粧品・医薬部外品OEM/ODM業界で最大規模を誇る。
「ホワイトカラーの生産性向上」と「グローバル対応の人材育成」に向けて、一層取り組みを強化していく。
中国で推進する「処方のローカル化」は他の進出エリアでも必要だと感じている。米国、ベトナムなど他の海外拠点でも駐在制度を推進していく。
東洋ビューティ

化粧品・医薬部外品OEM/ODM大手の東洋ビューティは、国内2研究所・研究員100名強の研究開発体制を整え、今春も新たに10名を増員した。
今期(17年5月期)より、主要製造カテゴリーであるスキンケアとヘアケアの2つにグループ分けし、研究対象を深掘りしやすい環境を整えた。
今期より、品質レベル向上に向け品質管理・保証体制を見直したほか、情報を収集・精査して、顧客の要望に対し応用可能性のある既存処方・技術の掘り起こしを進めている。
天真堂

天真堂は2018年12月期、研究開発において「独占的な原料開発」「オリジナルプレミックス」「独自の吸収・浸透技術」を軸にした取り組みを推進している。
独占的な原料開発では今期、パートナー企業の協力を得てこれまで国外産が使用されていた「赤ショウガ」を国内で生産し、化粧品原料として展開する。
医薬部外品だけでなく、機能性表示食品の申請届出やシステマティックレビュー(SR)を自社で内製化できる体制構築を目指し、来期を目途に機能性表示食品の自社ラボを新設する。
アサヌマコーポレーション
メークアップやスキンケアアイテムの受託製造業を展開しているアサヌマコーポレーションは研究開発体制の強化を進め、2024年にグループ売上高200億円達成を目指している。
当社は2017年4月に新研究所が稼働し、メークアップ系の5グループとスキンケアグループの計6グループに加え、薬事や特許、原料分析、製品・原料の安全性調査を担当するグループを擁する研究開発推進室も新研究所内に設け、研究開発に関わる部署を集約した。