ブックタイトル化粧品・トイレタリーの専門誌C&T|2014.10(季刊No.161号)

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概要

化粧品・トイレタリーの専門誌C&T|2014.10(季刊No.161号)

と呼ぶ。レジリエンスは、元々はストレス(stress)とともに物理学の用語であった。ストレスは「外力による歪み」を意味し、レジリエンスはそれに対して「外力による歪みを跳ね返す力」として使われ始図1ある社員のポジティブな勘違い2)め、精神医学では、ボナノ(Bonanno,G.)が2004年に述べた「極度の不利な状況に直面しても、正常な平衡状態を維持することができる能力」という定義が用いられることが多い。では、そうした強く生きるレジリエンスはどうしたら身につくかを考えてみよう。ペンシルベニア大学のA・ダックワース博士は「不屈の精神(根性)」に焦点を当てた興味深い調査研究を続けている。その研究では、誰もが持つ、一人ひとりに賦与された独自の能力(才能)が、物事を成し遂げる力となるためにはどのような過程を経ることが考えられるかが分析されている。図2は、「才能」が「スキル(技能)」として練成されるには「努力」という要因※出典:S・マッジ&コーシャバ著「職場におけるレジリエンス(Resilience at Work)図?レジリエンスのレベルが高い人、低い人が必要不可欠であり、さらにはそのスキルと努力とがいわば共働したときに「達成」に至る、という図式である。楽観とレジリエンスは、こうした構造全体の成立を可能とすることに不可分に結び付いていると考察される2)。その「才能」や「努力」については次の項で述べる。一橋大学大学院のパトリシア・ロビンソン博士は、「しなやかな職場」3)という論評の中で『Resilience at Work』(『仕事ストレスで伸びる人の心理学』ダイヤモンド社刊)を取り上げ、米イリノイ・ベル・テレフォン社に勤務する450人の管理職を対象に実施された12年間の調査に基づく結果分析を紹介している。同社の事業縮小に伴う失業や、組織改変に伴う大きな変動を経験した半数以上の従業員のうち、約3人に1人がストレスに耐えただけでなく、そうした経験から成長した様子を見せたことが判明したという。図3は、同じ逆境を経験しても、それを乗り越える人とそうでない人との間で観察された、共通した特徴を要約したものである。才能と努力図?達成までの道のり※資料提供:ペンシルベニア大学A・ダックワース博士「自分には才能なんて……」という方はまず2つ考えてもらいたい4)。一つは『子供の頃を思い出す』。子供の頃の思い出を振り返って、幼稚園・小学生・中学生・高校くらいまで、とくに幼稚園や小学生のころを、できる8C&T2014-10