ブックタイトル化粧品・トイレタリーの専門誌C&T|2014.10(季刊No.161号)

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概要

化粧品・トイレタリーの専門誌C&T|2014.10(季刊No.161号)

特集進むパーソナル化で香りがより身近な存在へ~多様化する香りの質とキャラクターで差別化~高砂香料工業高砂香料工業では香粧品香料市場は全体に横ばい傾向にあり、大きな変化はないととらえている。全般的にみると堅調に推移しており、輸入額が増えている。欧米のファイン・フレグランス市場ではドラマティックな変化はないものの、二極化が進んだ。「フローラルを基調とした軽やかでみずみずしい香りと、残香を意識したオリエンタル調や新しい解釈のシプレー調の香りが最近のトレンドと言える。シプレー調にはクラシカルなイメージがあったが、フローラルを基調に、軽やかで明るくモダンな印象のものが出てきている。また、シアージュ(香跡)の質やキャラクターによる差別化がますます重要になってきており、この傾向はファイン・フレグランスだけでなく、シャンプーや柔軟剤など、どのカテゴリーでもみうけられる」(米田祐子フレグランス・アロマケミカル事業本部フレグランスマーケティング部部長)男性用ファイン・フレグランスの世界でも、インテンスやエクストリームといった、オリジナルの香りをより強調したラインが多く見られ、朝つけると1日中香りを楽しみたいという傾向があることがうかがえる。日本のシャンプーでは、香水やナチュラルコスメ、サロン市場の影響を受け、ナチュラルな香りやより香水調の香りが登場している。高残香が求められる柔軟剤ではリッチで甘い香りだけでなく、ほのかでさわやかな香りも求められており、香りのキャラクターも多彩である。日本の消費者の香りに対する考え方はここ数年で大きく変わってきている。ライフスタイルの変化から、家事を楽しみたい、家の中にいても癒されたいという意識が高まり、人前に出るためだけでなく、隈元氏(左)、米田氏自分自身が楽しむための香りの役割が大きくなっている。さまざまな香りで家事を楽しんだり、気分転換のスイッチ的役割も見受けられたりと、香りのパーソナル化が進み、香りがより身近な存在になって多様化してくるとみている。同社ではこのほど、米国のバイオケミカル企業であるアミリス社との提携を開始した。「当社では天然原料由来のアロマケミカル製品を強化している。大気中の二酸化炭素を吸収した植物を原料にすることで空間環境の二酸化炭素量が守られるからだ。今後はバイオ技術で生産した原料が注目されるだろう。その一環として、アミリス社が製造した素材を原料にした香料開発を第1弾の取り組みとしてスタートさせた。今後もバイオベンチャー企業との接点があれば、提携を検討していきたい」(隈元浩康フレグランス・アロマケミカル事業本部フレグランス・アロマケミカル企画部部長)同社では来年、ファルネセン(セスキテルペン)の炭化水素を使った原料の製造を計画している。特にミューゲ調(スズラン)の原料が安全性の観点から既存の素材がなくなる方向にあり、ファルネセンを原料としたミューゲ調の香料素材を製造していく予定だ。34C&T2014-10