ブックタイトル化粧品・トイレタリーの専門誌C&T|2014.10(季刊No.161号)

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概要

化粧品・トイレタリーの専門誌C&T|2014.10(季刊No.161号)

2020年化粧品市場を徹底分析倍増する訪日観光客を取り込め我が国の化粧品出荷額(経済産業省生産動態統計)は1997年の1兆5189億円をピークとし、2004年~2008年までは1兆5000億円前後で推移していたが、2008年のリーマンショックを契機とした世界的な経済危機により減少し、近年は1兆4000億円前後で推移している。今後については、シニア層の拡大によるプラス要因と、少子高齢化の進展による人口減のマイナス要因が相殺され、2020年の化粧品出荷額(当社推計)は、2013年の1兆4286万円をやや下回る1兆4020億円になる見込みだ。こうした中、アジア圏をターゲットに海外展開を加速する動きが大手各社を中心にみられるが、様々なリスクを伴うため、全ての企業が取り得る戦略とは言いがたい。そこで近年注目を集めているのが、訪日観光客をターゲットとした日本製化粧品の販売だ。今回は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催時に訪日観光客が現在の倍となる2000万人を突破したと仮定して、2020年の訪日観光客による化粧品購入額がどの程度になるかを試算してみた。国土交通省観光庁によると、平成26年4~6月期の訪日観光客(338万6000人)による旅行消費額は、2期連続で過去最高を突破し、4874億円(前年同期比32.6%増)となった。訪日外国人一人当たりの旅行支出についても、14万3942円と前年同期に比べ5.7%増加している。全旅行支出のうち、「買物代」は34.5%を占めるという。国籍・地域別の旅行消費額は、1位「中国」(1125億円、構成比23.1%)、2位「台湾」(931億円、同19.1%)、3位「韓国」(454億円、同9.3%)、4位「米国」(416億円、同8.5%)、5位「香港」(327億円、同6.7%)であり、上位5カ国で全体の66.7%を占める。訪日外国人の消費動向(国土交通省観光庁、平成22年年次報告書)をみると、化粧品・医薬品・トイレタリーの平均購入単価は2万1830円で全購入費目の11.1%を占めていた。訪日観光客による2014年の旅行消費額(年間)は約2兆円。訪日観光客が倍増すれば4兆円、近年の増加幅(32.6%増)なども踏まえると、2020年には6兆円規模になっていても何ら不思議ではない。実際に試算してみると、2020年の訪日観光客による化粧品購入額(年間)は、6兆円(予想数値)×34.5%(全費目のうちの買物代)×11.1%(買物代のうち化粧品代)=2297億7000万円ということになり、1500億円もの新規需要が生み出されることになる。倍増する訪日観光客を確実に取り込んでいくことは、ますます重要性を帯びてきそうだ。6C&T2014-10