ブックタイトル週刊粧業・2015年4月13日号

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概要

週刊粧業・2015年4月13日号

週刊粧業(第3種郵便物認可)(16)2015年(平成27年)4月13日第2968号この賞は、革新的な製品開発や創造的なサービスを提供し、地域経済の活性化や海外展開に積極的に取り組む企業が対象となる。日本商工会議所や中小企業基盤整備機構、各経済産業局などから推薦され、その後外部有識者による委員会での調査を経て300社まで絞り込まれた。同社の場合は、地元素材を活かしたモノづくりで海外市場に積極的に乗り出していることや、地元経済の発展や雇用創出に貢献していることなどに高い評価が集まった。300社の取り組みを網羅した資料に記載されている同社の情報をみると、「久米島の地域資源である海洋深層水を用い、他社では真似できない商品開発力を有している」といった文言があったほか、海外展開についても「海外企業からの引き合いも多く、台湾をはじめとし、香港、中国、欧州企業、極東ロシアなどさらなる発展が見込める」と説明されている。さらに、地元経済への波及効果として雇用の増加や若者の定着に触れる表現があったほか、売上げの一部を「久米島の海を守る会」に寄付している活動で海洋環境保全に耐食性に優れる銅板を用いた当時としては最新鋭の同装置を導入することで、油脂工業で重要な成分である脂肪酸とグリセリンを高純度で効率よく大量に生産することが可能となった。これにより同社は、日本で初めて高品質の家庭向け洗濯石鹸「ライオン洗石鹸」(1912年)や、「植物性ライオン洗濯石鹸」(1920年)を発売している。この工業用高圧油脂分解器は、関東大震災や東京大空襲での被災でも破壊を免れ、戦後の昭和20年代半ばまで40年以上稼動した。この装置は、国立科学博物館産業技術史資料としても登録されている。同社では、「植物油を高純度で分解することを可能とし、日本の油脂工業の発展に大きく貢献した技術的価値があること」「現存する日本最古の工業用高圧油脂分解器で、歴史的価値があること」などが評価され、今回の化学遺産認定に至ったとしている。(禁無断転載)CR本紙の全部または一部を無断で複写複製(コピー)することは、堅く禁じられております。本紙からの複写を希望される場合は、出版社著作権管理機構(JCOPY)(03-3513-6969)まで必ずご連絡下さい。美容研究家小林照子氏「演劇のメークアップアーティストになりたい」という夢を実現するため、20歳で美容学校に入学し、卒業後の1958年に小林コーセーへ入社した。配属先は美容部員の教育部門だったが、「教育をする前にまずは現場を知るべき」という会社方針のもと、美容部員として2年間、多い日で1日に100人以上の顔に触れる日々を過ごした。「演劇のメークアップアーティストになるには一番の近道」と考え、臨店時はメークアップとスキンケアを徹底的に行った。そこでメークの力で一人ひとりの魅力が引き出せることや、人を幸せにすることを実体験した小林氏は、「美容部員として顧客と直に交流を持てた経験が、美容研究家としての今の私の基盤になっている」と振り返る。美容部員としての成績が認められ、本社の教育部門に異動となった小林氏は、メークアップアーティストとして美容部員や取扱店の指導を任されるようになる。メークアップの指導が評判を呼び、全国各地から受講者が殺到し、自らの結婚式が半年延期となるなど教育活動は多忙を極めた。その後、念願であった日本を代表するメークアップアーティストとしての地位を確立し、1985年には青山劇場・青山円形劇場のこけら落とし公演で舞台のメークアップを担当する。この経験から、「夢は持ち続け、努力すれば必ず実現する」を信条としている。コーセー在籍時は教育活動だけでなく、商品開発においても多大な功績を残した。小林氏の着想により、1974年に世界初の夏用ファンデーション「サマード」、1975年に世界初の美容液「R・Cリキッド」が開発された。1983年には「ザ・ベストメイクアップ・スクール」初代校長に就任し、1985年にコーセー初の女性取締役に就任した。1991年に独立し、「美・ファイン研究所」を設立。現在、小林氏はコンサルティング業務や教育、サロン事業など幅広い分野で活躍している。(之)夢は持ち続け、努力すれば必ず実現する本化学会が指定する「化学遺産」に認定されることとなった。化学遺産に認定される高圧油脂分解器は、1910年(明治43年)にドイツから輸入された装置で、現在は同社平井事業所で保管されている。内部を高温・高圧にすることが可能であり、植物油などを分解して、石鹸の原料となる脂肪酸と、工業用原料のひとつであるグリセリンを製造するために使用されてきた。貢献している点も評価対象になった。雇用の面では、女性を積極的に登用していることも先進的だとする記載があった。3月27日には経済産業自然豊かな立地を活かして海洋深層水などを用いた化粧品OEMを展開しているポイントピュール(沖縄・久米島)がこのほど、中小企業庁が選定する「がんばる中小企業・小規模事業者300社」に認定された。省で授賞式が行われ、出席した大道敦社長は「製造は久米島で、営業展開は全国と海外になる。最近では、海外進出がかなり注目されてきており、「工業用高圧油脂分解器」化学遺産に認定ライオンライオンが保有している「工業用高圧油脂分解器(オートクレーブ)」が、後世に伝える貴重な歴史資料として認められ、このほど、公益財団法人日そうしたことも相俟って評価されたのではないか」と受賞理由を分析するとともに、今後の事業の励みにもしたいと声を弾ませていた。果敢な海外展開で「がんばる中小企業」に選定ポイントピュール工業用高圧油脂分解器大道社長