自ら率先して接客力向上に努めるシャンティ 池袋店〈東京・豊島区〉

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自ら率先して接客力向上に努めるシャンティ 池袋店〈東京・豊島区〉

  「シャンティ 池袋店」 (33㎡) は、JR池袋駅に隣接するメトロポリタンプラザの3階に位置する。近隣に百貨店やドラッグストアなどの競合店がひしめく中、総購買客数が増加し、売上げも順調に拡大を続ける。そこで今回は、成長を続ける要因について、中島愛店長とスタッフの萱沼絵理さんにインタビューした。

№1ブランドのアルビオンが
右肩上がりの成長で好業績を牽引

  「シャンティ 池袋店」 は、今年2月の改装を機にマスブランドを廃し、個性的なブランドを中心とした品揃えとお店づくりで競合との差別化を進めている。

 お店のコンセプトに「店舗・商材・接客の全てにおける独自性の追求」を掲げ、落ち着いた空間の中で、近隣他店にはない商材を、質の高い接客によりカウンセリング販売することを信条としている。

  「他店との違いをより鮮明にしたいということが、 ブランドを集約した理由です。マスブランドの化粧品に対する需要も少なくありませんが、導入店も多く、値引き販売されているケースも目立ちます。うちのお店だからこそ手にしてもらえる商品、自信を持ってお奨めできる商品に絞った結果、スタッフのモチベーションが各段に高まりました」 (中島店長)

 現在の取扱いブランドは、アルビオン、イグニス、エレガンスを軸に、ハリウッド、カシー、マックスファクター、そして自社ブランドの「ピュア ロジスト」となっている。不況の中、差別化を目指した戦略が功を奏し、総購買客数・売上げともに拡大基調が続く。

 特に№1ブランドであるアルビオンの販売実績は、07年度が前年比11%増、08年度が3%増、09年度が8%増と年々拡大しており、池袋店の成長の牽引車となっている。

  「アルビオンは入社して初めて接したブランドでしたが、わずか1カ月で肌が変わるのを実感しました。実際にご紹介したことでお客様にも喜ばれ、手応えを感じたときのことを今でも覚えています」(中島店長)

  「アルビオンでは特に『薬用スキンコンディショナー エッセンシャル』の人気が高いですね。アルビオンを代表する商品として、今後も出会いの中心アイテムとして期待しています」(萱沼さん)

 08年1月に導入したイグニスについても、09年度は30%超の伸びを示しており、同店の新客獲得に貢献している。

  「イグニスは“心地良さ”という商品コンセプトが今の時代にマッチしていることもあって、お客様にも特長が伝わりやすいと思います。アルビオンでは4ステップが基本となりますが、イグニスの場合は1品からだけでも使って頂けることが奨めやすさにつながり、お客様にも構えないで購入してもらえています」(萱沼さん)

 1日の平均来店客数は、平日で30~40人、休日で40~50人となっている。池袋という土地柄、平日の夕方は20~30代の仕事帰りのOLで混雑し、乳液や化粧水がよく売れるという。

  「美意識の高いお客様が多く、疲れた肌を何とかしたいというのが主な来店目的となっています。平日はベーシックケア、休日はスペシャルケアの需要が高まるのがこのお店の大きな特徴だと思います」(萱沼さん)

 池袋店では、化粧品の販売を促進するため、フェイシャルケアやメイクサービス、水油分計測定などのサービスも実施している。

 フェイシャルケアについては、機器を使用した超音波とハンドケアの2種類のコースを用意。最近では、癒しを求めて来店されるケースが多く、特にハンドケアへのニーズが高まっているという。

  「フェイシャルケアを導入しているのは、化粧品の使い方を啓蒙できるだけでなく、お客様とのコミュニケーションが密に図れるためです。難しい配合成分などの説明をしなくても肌効果を実感して頂けるため、手間暇はかかりますが、最終的には化粧品をご紹介する上での近道と思っています」(中島店長)

1次来店数は店舗移転により減少も
様々な施策で2次来店率がアップ

 以前の店舗は、駅チカからフラっと立ち寄れる地下1階に位置していたため、会社帰りのOLが毎日通りかかるうちに興味を持ち始め、来店するといったケースで集客が自然と図れていたが、3階に移って以降はこうした効果は期待できず、「ある程度目的意識を持って来店された新規のお客様をいかに固定化するかが重要になってきています」(中島店長)という。

 そこで池袋店では、新規客が再来店しやすいように売場にいる全スタッフを来店時に紹介しているほか、初回来店客にサンプルを配布する際、10日以内に再来店するとC&Cによるフェイシャルケアやメイクサービスが無料で受けられる「10daysカード」を必ず配布している。

  「初めて来店されるお客様のうち、他のお店でもらったサンプルを使ってみて購入を決めたとおっしゃる方が少なからずいます。裏を返せば、うちでお渡ししたサンプルを使ってみて良さを実感した方でもよそで購入してしまうケースがあるということですよね。一度ご来店いただいたお客様すべてに“また来ていただきたい”との強い思いが、このカードの導入を後押ししました」(中島店長)

 こうしたシステムを導入したのは、特に1回目からの再来店期間が10日以内という顧客は固定化を図りやすいとの経験則があるためだ。

 池袋店では、全スタッフに対して、「10daysカード」のリピートを3カ月で5名以上獲得することを課しているが、毎回ほぼ全員がこのテーマをクリアしているという。いい意味でこれがプレッシャーとなり、自ら率先して接客力向上に努力することにつながっている格好だ。

  「お客様は、単に『10daysカード』を渡しただけでは再来店してくれません。次回も来店したいと思わせるだけの接客力が何より重要になってきます。私を含めスタッフは皆、他のお店にお客様として行くことで接客を体験し、新しい発見や気付きを得られるように努力しています」(萱沼さん)

 2回目の来店時には、顧客に極力タッチをするように心掛けている。会話のキャッチボールが増え、3回目以降の来店につながるからだ。

  「お客様は必ず『このスタッフさんがキレイにしてくれる』『このお店で情報を聞きたい』という期待感を持って来店されます。ですから私たちも、『この方を1番キレイな姿にして帰してあげたい』という気持ちで接客しています」(中島店長)

手書きにこだわった月刊情報紙が
既存客との強い絆づくりに貢献

 3階に移ったことで、集客面ではマイナス部分が見られるものの、じっくり接客できるようになったことで、むしろプラスに働いている面が多いという。

  「地下1階にいたときは、販売が9割、接客が1割といった具合に、ほとんどお客様にタッチする時間が取れませんでした。既存のお客様の多くは、3階に来て『落ち着いて話ができるようになった』『居心地がよくなった』と評価してくれています。確かに1次来店客数は減っていますが、1人あたりの接客時間が増えたため、お客様とより深くコミュニケーションが取れるようになり、1人あたりの来店頻度はむしろ増えています」(中島店長)

 さらに、昨年秋からは、既存客との絆をさらに強めるため、手書きにこだわった情報紙「シャンティビューティ通信」を毎月上旬に発行している。

  「お客様の目線と私たちの目線は実際には異なる部分もあり、皆で話し合いながら“お客様目線”での紙面づくりを心がけています。直接説明しながらお渡しすることにこだわっており、店頭でのみ配布しています。お客様からは『手書きが嬉しい』『毎月楽しみ』など好評を頂いており、季節のお手入れ法や新商品などを掲載することで次回の来店にもつながっています」(中島店長)

 中島店長は今後の抱負について、「おばあちゃんになるまでキレイでいたいと考える女性はとても多いです。私たちはそれをしっかりと提供できるお店として、もっと多くの方にこの店を知ってもらいたいですね」と述べる一方、来店してもらいたい女性像については、「メイクをしたことのない女性や、化粧品にマイナスイメージを持っている女性をキレイにして差し上げたい。化粧品でハッピーになれることを1人でも多くの方に伝えたいです」と熱く語った。

 〈店舗概要〉
 所在地=東京都豊島区西池袋1-11-1 メトロポリタンプラザ3階▽営業時間=11時~21時(平日)、11時~20時30分(日祝日)▽電話番号=03-5954-8124

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