草苅セレクトコスメショップespoir/エスポワール イオンモール羽生店

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草苅セレクトコスメショップespoir/エスポワール イオンモール羽生店

 群馬・埼玉に化粧品専門店 「エスポワール」 を4店舗経営する草苅 (本社=群馬県館林市) の向山恭弘社長は、 「草苅」 のローマ字を頭文字に 「親切 (Kindness) ・有用性 (Utility) ・魂を込める (Spirit) ・楽しさ (Amenity) ・知識 (Knowledge) ・分析 (Analyze) ・信頼性 (Reliability) ・良識 (Intelligence)」 の8項目を 「KUSAKARI ism (クサカリイズム)」 として、 スタッフ育成による店舗の質向上を目指し、 全店で共有化している。

 今回は、 メーカー・バリアフリーの店内レイアウトを追求する4店舗のうち、3年目を迎えた、 埼玉県羽生市のイオンモール1階に展開する 「セレクトコスメショップ espoir」 (以下、 羽生店) を取材した。

 

「コト売り」追求からさらに発展「モノ売り」へのこだわり

 同社は、 これまで10年以上続けてきた 「モノ売りではなく、 コト売り」 の方針を捉え直し、 「お客様中心主義・第一主義」 を改めて追求した。 その結果、 「しっかりモノを売る」 という“原点回帰の進化形”ともとれる 「モノ売り」 にこだわる方針を昨年より開始している。

  「かつては差別化につながった 『コト』 も普遍化し、 その実行で満足してしまう傾向にあった。 コト売り (=活動) で終わりにするのではなく、 その結果として得た利益をいかに還元するか、 その還元に向け、 次にどう活かしていくかまで考えて 『サービスを付加価値してモノを売っていく』。 それが、 小売業である前に接客業である専門店にとって大事なことだ」 と持論を展開する向山社長は、 その実現に向けスタッフと美容部員から構成される店舗内の 「チーム力の最大化」 を図っており、 日々、 複数店舗をまわり、 店頭に立って来店客を迎えている。

  「店頭にいれば、 お客様がどのような状況で来店したのか把握できる。 1人か複数か、 手ぶらか、 それとも何か持っての来店か。 それはどこのショップ袋か。 来店動機やその状況も重要なお客様情報の一つである」 (向山社長)

 25年以上、 化粧品の販売に携わってきた向山社長は、 専門店の経営を 「商品とともに成長していく業態」 と捉え、 それには 「辛抱が必要」 と語る。 スキンケア関連は、 新規来店での購入は極めて稀で、 テスターやサンプルを試して再来店、 再々来店時になって、 購入につながる、 それが健常な専門店ではないかと説く。

 ドラッグストアやGMSとの違いはそこにあり、 ディスカウント商戦の激化も 「土俵が違う」 と肯定も否定もしない。 他業態での安売りそれ自体よりも、 万が一、 それによって経営に影響が及んでしまう専門店であることの方を問題視する。 理想は競争相手を作らない、 作られない独自の売り場づくりによる 「不戦勝」 と語る向山社長は、 羽生店を含め、 モール業態でテナント出店している店舗を、 GMSとの競合ではなく、 補完関係にあると捉え、 価格ニーズに対応するGMSができないサービスの強化を図る。

「選ばれる」化粧品の育成に向け、店舗内「チーム力の最大化」図る

  「新製品は技術革新というメーカーのDNAが流れていて非常に喜ばしいこと。 当店も毎回、 積極的に販売する」 (向山社長) という一方で、 長く愛用されてきたブランドも多いため、 取扱う商品の間口を広め、 色々な商品を取り揃える。

  「ブランドやカテゴリー、 グループなどでの取扱アイテムの絞り込みは、 メーカー直営店やコンセプトショップがやること。 専門店の役割ではない。 当社の 『セレクトコスメショップ』 は、  “お客様がセレクトする化粧品店”でありたいという想いが込められている。 取扱商品を増やせばそれだけ色々なお客様との接点ポイントは増える。 当店の中で色々な商品を試して、 どんどん浮気してもらいたい」 (向山社長)

 もちろん、 十分な商品説明を受けてから購入したい顧客も少なくない。

  「当社スタッフ以上の専門的な知識や情報については、 メーカーから派遣された美容部員の出番となる。 もし、 ブランドスイッチされることにナーバスになる美容部員がいたら、 『本当にいい化粧品とお客様自身が感じたら、 また戻ってくる』 とそんな時こそ自信をもって販売してもらいたい。 当社スタッフ同様、 “お客様をつなぎ止める”ではなく、 “お客様に選ばれる”化粧品に育てる気持ちで接客してもらえたら嬉しい」 (向山社長)

少し“だけ”のキレイを啓発、継続的課題は「各店舗の認知度向上」

  「よく 『女性は少し “でも”キレイになりたい』 と聞くが、 本当だろうか。 化粧しなければならないシーンで 『少し “だけ”キレイになりたい」 女性の方がマジョリティではないだろうか。1人でも多くの女性に満足いただけるお店を目指す当社は、 その 『少し “だけ”』 キレイになりたい女性向けのコースを複数用意しており、 中でも全スタッフが対応できる 『眉スタイリング』 (525円) は積極的に提案しており、 新規のお客様に対する主軸コースである」 (向山社長)

 スキンケアの肌実感は感覚的なものであり、 個人差が生じる。 しかし、 眉毛の形を整える 「眉スタイリング」 は、 視覚的にその少しの変化を確認でき、 お客様から満足感を十分に引き出せる、 それが好評の理由だという。 さらに、 その整えた眉にアイブローをサービスする。 眉のスタイリングから、 アイブローの提案、 さらにもう少しキレイになることを望めば 「フルメイク」 コース (1500円) も受けられる。

  「だから 『アイブローの替え芯をください』 の再来店は、 当店のサービスが認められたことになり、 非常に嬉しい」 (向山社長)

 もちろん、 美意識の高い女性向けに、 予約制で 「個室エステ」 や 「個室エステ (スペシャル)」 を用意するが、 興味はあるが未体験の女性も気軽に体験できる 「ライトエステ」 も導入。 中でも、 「ベーシック」 (20分1500円) と 「マッサージ」 (30分2000円) の2コースへの予約が多い。 ホット&クールのミネラルミストで本格エステ並みの心地よさを感じられ、 さらに 「カンタンメイク付」 のサービスが人気のポイントだ。

 今年でオープン14年目を迎える館林店では、 店頭でのチラシ配布を強化し、 新規顧客数を伸ばしているという。

 しかし向山社長は、 市内人口がほとんど変化しないエリアにおける新規客の増加状況を素直に喜びはしない。 裏を返せば、 「14年もの間 『来店しなかった』 『来店しても購入しなかった』 もしかしたら 『お店の存在すら知らなかった』 ケースも考えられる」 (向山社長) ためだ。

 こうした明確な現状分析のもと、 店舗側の思いこみの壁 (メンタルブロック) を超える活動にも取り組む。 館林店と比べるとまだ店歴の浅い羽生店については、 化粧品の販売以上に、 店舗の認知度を高める活動を積極的に行っていく。

  「昨春オープンしたイオンレイクタウン越谷店もまだ 『行ってみよう・覗いてみよう』 というお客様が大半。 今後もお客様に満足いただけるお店づくりを告知しながら、 新規のお客様を増やしていきたい。 月3万円購入するお得意様は嬉しい。 そして、月3000円購入していただけるお客様が10人増えることはもっと嬉しいことだ」 (向山社長)

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