エフシー中央薬理研究所は、自然派化粧品に強みを持ち、スキンケアを主力に業容を拡大してきたが、ここ数年、メークについても強化を図っており、金額構成比でメークの割合が3割近くまで上昇している。昨期(2010年6月期)は、自然派ニーズを捉えた、差別性のある乾式タイプのファンデーションが好調で全体業績を牽引した。
「今年度を初年度とした3カ年計画では、本社敷地内にメークアップ棟を増設することを盛り込んでいる。これにより、メークアップ関連品の生産能力を従来比で2~2.5倍に高めたい」(相川功一東京営業所長)
また今年度は、ここ数年のメーク関連品の受注拡大を受け、本社と東京の両拠点でメーク専属の研究員を増員したほか、湿式タイプも扱って欲しいという要望が少なからずあることから、東京ラボ(東京営業所)内に湿式タイプが製造可能なテスト機を新たに導入した。
将来的には、湿式タイプのファンデーションを、日本(藤枝市)とタイ(チョンブリ県)の両拠点で生産できる体制を構築することで、さらなる成長を図っていく。
一方、タイ工場(敷地6000坪、鉄筋2階建)が2007年7月の竣工から丸3年が経過し、軌道に乗っている。現地の健食メーカーが「内外美容」をキーワードに化粧品事業に参入するケースが増えているほか、タイを拠点にアジア展開を図りたい日系の化粧品メーカーからの受注が順調に拡大しているためだ。
同社は100%独資で現地法人を立ち上げた経緯から、現地資本からの横槍などが一切入らず、臨機応変に対応できるため、特に日系の化粧品メーカーからの安心感や信頼感は高いという。
「タイで製造することによりコストメリットが提供できるのはもちろんのこと、販促品やギフトセットの包装など、煩雑な作業が伴う依頼にも柔軟に対応し成果につなげている。また、他のアセアン諸国やヨーロッパ地域への物流網を構築している強みをさらに強化するため、ロジスティクスのシステム化にも着手している」(相川氏)
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この記事は週刊粧業 掲載
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